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集客、部下のマネジメントに苦労し挫折を経験。学びを教訓によりよい店舗運営で既存店のレベルアップを目指す

2024.04.25

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※代表の片岡 弘道氏(写真左)とトレーナーの吉村 健氏

新宿・吉祥寺・荻窪に計4店舗のパーソナルトレーニングジム「エイチベース」を展開する株式会社エイチベース。認知拡大に向けて自社でSEO対策、MEO対策に取り組み、地域への営業活動なども含め地道な集客施策でコロナ禍を乗り越え、店舗を展開してきた代表取締役の片岡 弘道氏に、店舗展開のなかで苦労した出来事やそこで得た学びについて聞きました。さらに、「エイチベース」で働く吉村健トレーナーにも日々の指導において意識していることや今後の目標について伺いました。

INDEX

PROFILE

片岡 弘道 株式会社エイチベース 代表取締役

大手総合フィットネスクラブで働いた後、より一人ひとりの方に向き合いたいとパーソナルジム「エイチベース」を開業。ボディコンテストへの出場や様々なスポーツに取り組んだ経験を元に、お客さまの幅広いニーズに対応する。代表として4店舗を統括しつつ、年間2,000セッション以上に対応する。

吉村 健 株式会社エイチベース トレーナー

大学では経済学を専攻するも、就職活動中に自らを見つめ直した結果、トレーナーを目指すことを決意。大学に通いながらトレーナー養成スクールに通ったという若手のホープ。今では年間1,200セッション以上を担当し、実直な人柄でお客さまからの信頼も厚い。

公式Webサイトはこちら

1. 病を機に警察官の道を断念、健康に貢献できるフィットネス業界へ

——株式会社エイチベースを立ち上げるきっかけについて教えてください。

大学卒業後、長年憧れていた警察官になったのですが、途中で病気が判明して警察官を辞めざるを得なくなってしまったんです。病を克服した後はさまざまな職業を経験しましたが、最終的にある大手総合フィットネスクラブに入社しました。学生時代にアルバイトを経験し、楽しかった思い出も多かったためです。

総合フィットネスクラブでは、お客さまの健康をサポートする仕事にやりがいを感じていましたが、一部のお客さまが短期間で退会してしまうことに「本当に健康になってくれているのだろうか?」と思うようになったんです。一人ひとりのお客さまをもっとサポートしたくても、会員数が多いと対応できる時間にどうしても限界があります。その点、パーソナルジムであれば、お客さまともっと密なコミュニケーションが取れるのではないかと思い、2017年にエイチベースを立ち上げました。

——集客は順調に進んだのでしょうか?

当時は今ほどパーソナルジムが普及していなかったので、SEO対策をきちんと施したホームページ(以下、HP)を作成すれば、お客さまが自然に集まると考えていました。でも、HP作成を専門業者に依頼する資金がなかったので、自分でワードプレスを使って作成しました。開業当初から軌道に乗るまでは毎日ブログを更新するよう意識していて、3ヶ月くらいでGoogleの検索上位に浮上してくるようになり、それとともにお客さまからのお問い合わせも増えました。その後、縁あって2店舗目、さらに3店舗目と続くのですが、3店舗目の開業時はちょうどコロナ禍でした。でも、「守るだけでなく攻めていこう」という気持ちで臨みましたね。

—— 一般的には守りに入りそうなところ、なぜ「攻めていこう」と考えたのでしょうか?

もちろん不安もありましたが、今まで大型施設に通っていた方が、感染リスクの観点からパーソナルトレーニングへ注目してくれるチャンスでもあると思ったんです。外出制限で本当に経営が苦しい時期もありましたが、予想通りパーソナルトレーニングへの注目度の高まりとともにお問い合わせも増え、コロナ禍を乗り切ることができました。

集客、部下のマネジメントに苦労し挫折を経験。学びを教訓によりよい店舗運営で既存店のレベルアップを目指す

2. 集客アップにSNSを活用、個性豊かなトレーナー陣が魅力を発信

——集客アップやお客さまに長く継続してもらうために取り組んでいることはありますか?

当店の場合には、個性豊かなトレーナー陣が最大の強みですので、所属するトレーナーの魅力が伝わるように、店舗でも各個人でもSNSを活用しています。投稿内容はトレーナーにある程度お任せしている部分もありますが、個人の強みをPRしつつ、特定の方の心情に訴えかける内容も散りばめるよう意識してもらっています。幅広く情報を発信しながらも、そのなかから「これは自分のことかもしれない」と感じていただける方が出てくれればと思っています。

実際に入会してくれた方に継続してもらうためには、トレーナーのファンになってもらうことが一番重要かと思います。ファンになってくれれば、何かの理由でトレーニングを「休む」ことはあっても、「やめる」という選択肢にはなりにくいと思いますから。

そのためにも、ありきたりかもしれませんがトレーナーには「とにかくお客さまに寄り添っていこう」と指導しています。例えば、モチベーションが下がっているお客さまに対して「頑張ろう!」とメッセージを投げかけることは簡単なのですが、実際には仕事やプライベートで嫌なことやショックなことがあって、僕らが思っている以上に落ち込んでしまっている可能性もありますよね。

お客さまの心情を汲み取り、「負けないで!頑張りましょう!」ではなく、「少し立ち止まってもいいんですよ」と投げかけをすることも大切かと思うんです。そのためには普段からのお客さまとのコミュニケーションを大切に、食事指導のやり取りや、何気ない予約変更のLINEでのやり取りなどから「寄り添う」意識を持つことが必要と考えています。

3. 初めて正社員を採用するも、モチベーション管理に悩んだ4店舗目

——店舗が増えるなかで、どんな部分に苦労しましたか?

部下のマネジメントと集客ですね。組織のマネジメントについては、さらなる店舗拡大を目指して自身の右腕となる人材を育成するため、4店舗目の新規出店で初めて正社員を採用したんですが、正社員であると、当然ながら現場指導以外にもいろいろな業務に対応しなければいけません。でも、本人はやはり現場に注力したいんですよね。現場とそれ以外の作業量の加減や、本人のモチベーション維持が難しかったです。

だから、今いるトレーナーは全員業務委託です。正社員、業務委託、それぞれメリット・デメリットがあると思いますが、業務委託だとお客さま対応に集中できるうえ、対応した分だけ報酬にもつながるので高いモチベーションを維持しやすく、結果、お客さまの希望に対する達成度や継続率の面で良い成果につながりやすいように感じています。

——スタッフ・トレーナーさまのモチベーションがどんな状態にあるかは、ほかのリーダー層の方からもなかなか把握が難しいところだと聞きます。集客に関しては、どういう部分で苦労されたのでしょうか。

実は、先ほどの店舗は閉店しています。当時、私はSEO対策を主軸に集客に取り組んでおり、Web広告での集客方法については知識がなかったので、代理店にリスティング広告を依頼したのですが、思うような集客効果が得られなかったんです。広告費を増やしても改善されず、別の代理店に変更するなどしているうちにどんどん資金が減少していきました。加えて、部下のマネジメントもうまくいかないという状況で本当に苦しかったですね。でも、この失敗から学んだことは大きかったです。

——今後の目標について教えてください。

店舗をどんどん出店していくよりは、既存店の売上、客単価、サービスレベル、施設規模、セッション数など、いろいろな意味でレベルアップしていきたいです。長期的な目標としては出生地など、自分やスタッフにルーツがある場所に出店し、その地域の健康に貢献していきたいですね。

4. 大学で経営学を学びながらトレーナーに。経験を積み地元である広島の健康へ貢献したい

——続いて吉村さんに伺います。吉村さんは2023年に大学を卒業したばかりなんですね。大学では何を専攻されていたんですか?

経営学を専攻していました。でも、いよいよ就職活動が始まるというタイミングで自分がやりたいことって何だろう?と真剣に考えたときに、好きなことで、これまでも長く継続していることって筋トレだなと思ったんです。そうであれば、これを仕事にしようと思い、大学に通いながらトレーナーになるための養成スクールに通いました。

——現在、エイチベースでは何名ほどのお客さまを担当されていますか。

30名ほどのお客さまを担当しています。過去には別のジムで正社員として働いたこともあるんですが、正社員だと、どうしても会社のルールというか、ある種の“型”にはまることが必要です。それが少し窮屈だなと思ってしまったんです。今は、自分の個性を発揮しながらのびのびと働くことができています。

さらにエイチベースは担当制なので、1人のお客さまをしっかりと見られるので体の変化にもすぐに気付けますし、お客さまとの距離も回数を重ねるごとに近づきます。お客さまがリラックスしてくれていることがわかると、やはり嬉しいです。

集客、部下のマネジメントに苦労し挫折を経験。学びを教訓によりよい店舗運営で既存店のレベルアップを目指す

——ご自身の強みや、日頃のレッスンのなかで意識していることを教えてください。

しっかりとトレーニングの知識を学んできたので、筋肉の動きなどを理論的に説明できることはもちろん、お客さまの目的をより明確にするコミュニケーションが強みだと思います。ただ「痩せたい」という理由で来られる方が多いのですが、痩せることのメリット・デメリットをきちんと伝えたうえで、具体的にどんな体型にするのがその方の為になるのか、提案するのは得意だと思います。

レッスンで意識しているのは、お客さまとほどよい距離感をつくることですね。あまりかしこまってしまっては、お客さまも話しづらいと思うんです。いい意味で友だちのような距離感を大切にしています。

——反対に課題と感じていることはありますか?

僕たちのようにトレーニングを長く、深く取り組んでいる者には当たり前の言葉や出来事でも、そうでない方には違います。いかにしたら伝わりやすいのか、説明が難しいです。

今は、YouTubeでトレーニング動画を見たり、機会があれば違うトレーナーさんのセッションを見せてもらったり、先輩トレーナーと一緒にトレーニングするなどして、説明方法やトレーニング方法を学ばせてもらっています。説明の引き出しを多くもち、お客さま一人ひとりに適切なものを選択して、提供していきたいと思っています。

——片岡さんは吉村さんについて、「真面目なゆえ考え過ぎてしまう面もあるけれど、失敗して落ち込むことがあっても、そこから学んで次に活かしていこうとする意欲がある」と述べています。

もともと「日進月歩」という言葉が好きなので、少しづつでも前進していこうと努力しています。実は指導を始めたころ、ほとんどしゃべらないセッションをやるという失敗をしたことがあります(笑)。経験が少なかったので、どれぐらい話していいのか、どのような雰囲気で話していいのかわからなくて。シーン…としていて気まずい雰囲気だったことを覚えています。

——今後はどんなことに挑戦していきたいと思っていますか?

出身地の広島県にはパーソナルトレーニングジムがあまりないので、いつか広島県で立ち上げられたら嬉しいです。全体的に地方にはまだパーソナルトレーニングジムが少ないと思うので、地方にも店舗ができて人々が気軽に通えるようになれば、フィットネス人口ももっと増えるのではないかと思います。

——確かに地方では通いたくても通えない人がまだまだいそうですね。先ほど片岡さんもご自身やトレーナーさまにルーツのある場所に店舗を、ということをおっしゃっていたので、エイチベース広島店ができたらいいかもしれません。お2人のご活躍、またエイチベースさまの今後の発展を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

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