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女性導線で集客層を拡大、プロ育成と市場成長に取り組む格闘技ジム「STF」

2026.05.11

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埼玉県で3店舗を展開する総合格闘技ジム「総合格闘技道場STF」(以下、STF)は、初心者からプロ志向まで幅広い会員に対応したクラスを提供しています。30年以上にわたる運営の中では、立地戦略や女性が入りやすい導線の設計、コミュニティ形成など、格闘技ジムの集客・継続率向上に向けた取り組みを積み重ねてきました。今回は、代表の阿部直之氏に、長年支持され続ける運営のポイントと今後の展望について伺いました。

INDEX

PROFILE

阿部 直之 STFネットワークス合同会社 代表

幼少期から合気道・柔道・空手など様々な格闘技に取り組み、その経験をもとに1992年に総合格闘技ジム「総合格闘技道場STF」を設立。30年以上にわたり格闘技指導に携わる。プロ選手の育成を中心に実績を重ね、世界チャンピオンやプロ格闘家を輩出。埼玉県で3店舗を運営しつつ、現在も選手育成と指導に取り組んでいる。

公式Webサイトはこちら

1. マーケティング知識ゼロで格闘技ジム1号店を立ち上げ

—— STFを立ち上げたきっかけを教えてください。

私は6歳から合気道や柔道、空手などに取り組んできました。その経験を活かし、1992年に公共施設のスタジオを借りて選手育成を目的にレッスンを開始しました。当時は総合格闘技ジムが出始めた頃で、格闘技を体系的に学べる場はほとんどありません。そのためマーケティング知識がなくても集客できていました。

しばらくするとクラスが手狭になったことや、柔道選手であった息子の練習場所を確保する目的もあり、埼玉県富士見市の施設を借りたのが、STF1号店の始まりです。

—— 運営についてはどのように学ばれたのでしょうか。

当時は別に本業もあり、サークルの延長のような感覚で運営していました。会費制にしたのも家賃を賄うためで、ビジネスとしての知識はほぼゼロ。ホームページも最低限の情報しか載せておらず、知人から「よくこれで運営できているね」と言われるほどでしたが、競合が少なかったため成立していたのだと思います。

—— ビジネス的な知識は運営しながら身に付けていったのですか。

競合も増えてくるなかで、施設を継続するためや、店舗拡大の過程でマーケティングの重要性を認識するようになり、運営しながら学びました。格闘技業界には現在でも、ビジネス的な知識が乏しくても「現役選手や元プロ選手が出店すれば、集客できるだろう」という考えがあるように感じます。そこは業界としてこれから成長していくための課題の1つだと感じています。

女性導線で集客層を拡大、プロ育成と市場成長に取り組む格闘技ジム「STF」

2. 「立地」と女性が入りやすい導線が成長要因

—— 現在は富士見ジムのほか川越ジム、浦和ジムと展開されていますが、成長の要因はどこにあるとお考えですか?

出店において大きかったのは立地選定です。詳細なエリアマーケティングを行ったわけではありませんが、「今後発展するか」という将来性を重視してきました。埼玉県は東京のベッドタウンとして開発が続いており、駅から距離がある店舗でも、人口増加に支えられて安定した集客につながっています。

—— 人口が増えると、会員層にも変化が出てくるのではないでしょうか。

競合が多く成熟している市場では、暗黙のルールやしがらみが生まれ、柔軟な運営が難しくなることがあります。一方で格闘技業界はまだ規模が小さく、そうした制約が比較的少ないのが特徴です。そのため、会員の声や環境の変化に応じてファミリークラスを増設するなど、迅速かつ柔軟に運用を変えてきたことも、ビジネスの成長を後押ししました。

—— 1号店のオープンから30年間運営するなかで、大きな転機はありましたか。

指導者からプロの選手が出てくると、本格的に学びたい男性の入会が増えた一方で、女性を中心とするフィットネス感覚で楽しく取り組みたい方からは「怖い」「敷居が高い」という声が聞かれ、体験に来てくれても入会につながらないという課題が生まれました。そこで、ママ向けや親子クラスを導入するなど、女性や初心者の方が入りやすいようブランディングを変更しました。

—— 女性会員が増えることによる施設の変化はありましたか?

施設の雰囲気が柔らかくなり、「選手を目指すわけではないが挑戦してみたい」という男性も入会してくれるようになりました。また、女性会員の増加に伴い、匂いや清掃にもそれまで以上に配慮するようになったことで、施設の清潔感が高まりました。その結果、女性会員数が当時0から現在では全体の半数を占めるまで増えた店舗もあります。

女性導線で集客層を拡大、プロ育成と市場成長に取り組む格闘技ジム「STF」

総合格闘技道場STF 川越ジム

3. “本物志向”が生む強みとジレンマ

—— STFの指導におけるこだわりを教えてください。

当施設では、現役または元プロ選手による“本物”の指導にこだわっています。格闘技は経験の浅い指導でも一定の運営は可能ですが、会員のレベルが上がるほど、指導の質を見抜かれてしまいます。

一方で、プロであるがゆえの難しさもあります。「できて当たり前」という前提で指導してしまったり、「正しい技術を教えたい」という意識から、会員のレベルや目的に合わない指導を行ってしまい、「難しすぎる」と感じて退会につながるケースもあります。人材育成は現在の大きな課題です。

—— 会員の継続率向上に向けて意識して取り組んでいることはありますか。

リアルなコミュニティ形成です。格闘技はもともとコーチと会員、会員同士の距離が近くなりやすい競技だと思いますが、それに加えて、代表である私自身が各店舗を回り、会員さま一人ひとりに声をかけることを意識しています。

関係性が築かれていれば不満があっても別のクラスへ移行して継続していただけますが、SNSの一方的な情報発信だけで関係性が希薄であると、退会につながりやすいのではないかと考えています。当施設では、日常的なコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが、イベントへの参加や継続につながっています。また、「なぜSTFを選んでいただいているのか」「レッスンに問題はないか」といった声を直接聞き、運営改善に活かしています。

女性導線で集客層を拡大、プロ育成と市場成長に取り組む格闘技ジム「STF」

4. 選手育成と指導員養成の内製化に着手

—— 今後の展望について教えてください。

これまで、本物を提供することにこだわると採用のハードルが高くなり、店舗展開のスピードに合わないことがジレンマでした。そこで、将来の指導員候補を兼ねた「選手育成強化プロジェクト」を4月より開始しました。指導費用は無料で提供するつもりです。これを機に、現場指導から離れていた私も復帰したいと考えています。

—— これからさらに忙しくなりそうですね。

その分、注力すべき部分とそうでない部分を明確にしています。例えば一般的なキッズスクールでは人間性の成長教育にも取り組んでいると思いますが、当社のジュニアクラスでは挨拶など基本的な部分にとどめ、それ以上の教育は行わない方針を明確にしています。

—— 店舗は引き続き増やしていく予定でしょうか。

格闘技ジムは、本格的な指導を提供するほど薄利多売になりやすいビジネスかもしれません。一方で業界はまだ成長途上にあり、フィットネスの一分野としての広がりも期待できると考えています。格闘技は決して特別なものではなく、誰もが取り組めるものです。より多くの方が気軽に参加できる環境を整え、格闘技人口の拡大を通じて、業界全体の活性化に貢献していきたいと考えています。

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