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開業わずか3年弱で11店舗に拡大|WECLEの店舗拡大のコツはトレーナーの自主性育成と顧客のリピーター化

2023.07.31

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開業わずか3年弱で11店舗に拡大|WECLEの店舗拡大のコツはトレーナーの自主性育成と顧客のリピーター化

フィットネス業界で働く人々のなかには「営業は苦手」と言う人がいます。「お客さまの体をよくしてさしあげたい」という想いは強いものの、そのためにフィットネスツールを購入してもらったり、店舗への入会を提案するなど、金銭が発生する商品やサービスの購入をすすめることに苦手意識があるようです。2020年6月に三軒茶屋に1号店をオープンした日本初のストレッチピラティス専門店である「WECLE」のトレーナーも同様でした。営業への苦手意識を、とある工夫によって取り除くとともに、リピーターを育む店舗づくりを行うことで、順調に店舗数を伸ばしています。WECLEを運営する株式会社nobitel 取締役COO 兼 WECLE事業部執行役員 土谷 淳氏に、店舗数拡大のための具体的な手法について、語ってもらいました。

INDEX

PROFILE

土谷 淳 株式会社nobitel 取締役COO兼WECLE事業部執行役員

大学卒業後、大手印刷会社から飲食業、旅行業、コンサルティング業などさまざまな事業に従事。その過程で「人材」の力を引き出すことに興味を抱き、人材派遣や紹介・研修会社の代表を経て、株式会社nobitelへ。現在も適材適所で人材が活きる取り組みに力を入れている。

公式Webサイトはこちら

1. サービス時間や価格のせいで運動機会を奪われる人を減らしたい

当社の中心事業であるストレッチ専門店「Dr.stretch」に近い効果を、より手軽に得られるブランドとして「WECLE」を立ち上げました。きっかけは、Dr.stretchは1回あたりのサービスは40分から、価格は6,000円弱からのため、「サービス時間の長さや価格を考えると、受けたくても受けられない方がいるのではないか」と感じたことです。

WECLEでは、Dr.stretch監修のストレッチ特化型マシンとマシンピラティスを導入し、筋肉を「使う×伸ばす」動きにより、30分のレッスン時間でも十分な効果が得られるプログラムを考案しました。メインターゲットは、結婚や妊娠、出産など環境や身体的に変化が起こりやすい30~40代の女性としました。

WECLEのサービスは、6個のマシンを順に使っていくサーキット型です。予約不要としていますが、5分おきにスタートできるため、待ち時間はほとんど発生しません。

2021年からは24時間営業もスタートしました。日中はトレーナーが常駐し、お客さまをサポートしています。

快適な店舗利用には、店舗の雰囲気も大切です。グループレッスンであれば、雰囲気は担当するトレーナーによるところが大きいですが、サーキット型のWECLEの場合は違います。トレーナー同士のチームワークが店舗の雰囲気をつくり、それがそのままレッスンの雰囲気にも直結します。そのため、個々のトレーナーのキャラクターを尊重しつつも、チームワークの醸成をより重要視しています。

開業わずか3年弱で11店舗に拡大|WECLEの店舗拡大のコツはトレーナーの自主性育成と顧客のリピーター化

2. 競合店との入会率の差は「トレーナーの営業力」の差

2023年の時点で11店舗にまで増えましたが、2020~2021年は集客に苦労しました。どの店舗も、なぜかいつも300名前後で会員数がストップしてしまうんです。そのうち、競合店も現れて集客はさらに厳しくなりました。当時のWECLEの体験からの入会率は約50%、対して競合店は約80%と、大きく差をつけられていました。

競合店では、体験時の説明がとても詳しいなどといった、何かしらの大きな違いがあるのではないかと比較してみましたが、それほど差があるとは感じられませんでした。むしろ、WECLEが行っている説明のほうが丁寧とも感じられました。ただ1つ、大きく違っていると感じた点は、競合店のトレーナーが見せた「あなたに入会してほしい」という強い熱意でした。

このときに、「説明が丁寧であることはお客さまにとっては当たり前であって、入会するか否かに影響を与える大きな要因にはならないこと」を知りました。それよりも、「入会によって得られるメリットをきちんと伝えられる」といった、トレーナーの営業力が重要な要因だったんです。

しかし、当時のWECLEのトレーナーは営業への苦手意識から、入会へうまくつなげることができませんでした。加えて、「これまでの店舗も300名ほどの会員数なのだから、この店舗も同じぐらい集客できれば十分だろう」という考えが根底にあることも、会員数300名から伸ばすことができない要因になっていると感じました。

開業わずか3年弱で11店舗に拡大|WECLEの店舗拡大のコツはトレーナーの自主性育成と顧客のリピーター化

3. 会員数を2倍にする「意識を変えざるを得ない」職場環境づくり

WECLEが提供しているサービスは、間違いなく人々の健康に寄与するものです。より多くの方に届けられれば、それだけ健康な人々を増やすことにもつながります。トレーナーにそのことを伝えると理解はしてくれますが、それだけでは、営業への苦手意識をすぐに変えることは難しいと感じました。そこで、意識を「変えざるを得ない」環境をつくろうと考え、次の2つのことを実行しました。

3-1. 新店を成功店とすることで既存店のやる気を引き出す

新店では、効果が期待できる新しい施策を必ず実行し、あらかじめ成功への道筋をつくることにしました。新店を成功店とすることで、既存店のさらなる意欲を引き出すためです。既存店で新しい施策を実行することには、実は結構なハードルがあるのです。効果が期待できるとわかっていても、日々の運営にプラスして実行するとなると、上乗せされる労力を考えて躊躇してしまうのが現実です。一部のトレーナーは取り組みたいと思っていても、同僚の反応を気にして言い出せない場合があることも、耳にしていました。これらの課題も、「やらざるを得ない」環境をつくることで、払拭しようと考えました。

新店では、これまでに店舗の24時間化や、事前予約制のみの利用から、予約のいらないフリー利用の導入など、さまざまな施策を実行してきました。フリー利用の導入については、既存店のトレーナーから「混雑して、お客さまが利用しづらくなるのではないか」という不安の声があがりました。

しかし、フリー利用ができる形式でオープンした溝ノ口店では、それまで300名前後で伸び悩んでいた会員数を590名と約2倍に伸ばすことに成功しました。続く他の新店も、会員数を常に更新するようになりました。

結果、会員数を更新する新店に引っ張られるかたちで、既存店も新しい施策に積極的に取り組むようになり、既存店の会員数も平均して150%に伸びるという良い流れをつくることができました。

3-2. 同時に複数出店して人材をシャッフルし、競争心を働かせる

複数の店舗を同時に出店することで、大きな人事異動を起こすようにしました。それまで一緒に働いていたスタッフが新店に異動となり、その新店が過去最高の会員数を獲得すれば、かつて一緒に働いていたトレーナーたちは「どんな取り組みをしたのか?」と、どうしても気になります。「自分たちも、工夫してがんばらなければ」と、良い意味で競争心が働くだろうと考えました。

開業わずか3年弱で11店舗に拡大|WECLEの店舗拡大のコツはトレーナーの自主性育成と顧客のリピーター化

4. パーソナライズを徹底したサービスでリピーターに

1人でも多くの方の健康づくりに貢献するには、入会してくれた方にリピーターとなってもらい、長く運動を続けてもらうことが大切です。WECLEでは、利用したくなる店舗づくりのために、次のことを実行しています。

4-1. お客さま一人ひとりの状況に合わせた声かけ

WECLEでは店舗運用に顧客管理システム「hacomono」を導入し、体験レッスンの予約や入会受付、トレーナー同士で共有したいお客さま情報の管理などに利用しています。お客さまには、予約する際、システム上に性別や年齢、お住まいなどの個人情報を入力してもらいます。その情報をもとに、体験時にスタッフがお客さまの体の課題やニーズをヒアリングし、システムに記録しています。

入会時には、ヒアリングした情報から、お客さまの生活リズムに合わせるかたちで1ヶ月間の利用プランを作成します。お客さまが店舗を利用した際には、帰りがけに必ず次の予約日時を確認することで、来店の習慣化につながるようにサポートしています。

「お孫さんが生まれた」など、コミュニケーションで知ったお客さまに関する情報も細かく「hacomono」に記録し、いつ、どのトレーナーが担当しても、パーソナライズされたお声がけができるようにしています。お客さまとの心理的な距離を縮めることで親近感や信頼感を醸成し、それが店舗に通う理由のひとつになるようにしています。

4-2. 店舗の利用を促すコミュニケーション

「hacomono」に蓄積したさまざまな顧客データを分析したところ、WECLEの場合、「入会後の1ヶ月間に最低でも4回の店舗利用があると、来店の習慣化につながりやすい」という仮説が見えてきました。最低でも月に4回はしっかりと利用してもらえるように、最初の1ヶ月間は定期的に来館回数をチェックしています。利用回数によってお客さまを分類し、お電話をしたり、来館時により重点的にコミュニケーションをとったり、運動の大切さや身体的な効果を感じてもらえるように丁寧にサポートをするようにしています。お客さまのなかで、WECLEへ来館することの優先順位が下がらないように、常に意識してコミュニケーションをしています。

4-3. 事前の情報共有により、別の店舗でも温かい雰囲気でおもてなし

全店利用できるプランのお客さまがいつもと違う店舗を利用する際には、登録店舗のトレーナーが事前に予約状況を見て、店舗同士がつながるLINEで「本日、〇〇様がそちらの店舗を利用されるので、よろしくお願いします」といったように情報を共有します。連絡を受けた店舗は、事前にお客さまの情報をチェックし、いつも利用している店舗と同様に温かい雰囲気でお迎えすることを意識しています。

4-4. チームに必ず男性を入れる

お客さまが通いたくなる店舗の雰囲気づくりには、チームワークの良さも大切です。WECLEでは1店舗あたり約5名のスタッフで運営していますが、そのなかに男性が1~2名いると、チームがまとまり、チームワークが向上することがわかりました。同性だけでは、遠慮から発言や行動を控えてしまうところを、異性の存在がうまく緩和してくれることを感じています。

5. 全社会で効果的な施策を共有することで、よりよい店舗づくりを実施

WECLEはオープンからまだ3年弱です。1つの型に固執することなく、よりよい店舗運営に向けて、積極的に新しいことにチャレンジしています。多くの方にWECLEを知ってもらうために、定期的にトレーナー全員を集めた全社会を開催し、効果があった施策や課題を共有しています。「集客」「運動の習慣化」など特に重要なテーマについては、店長など一部のメンバーで分科会も開催し、より詳しく改善策を話し合う機会を設けています。

これから取り組みたいと考えていることは、トレーナー別の入会数に加えて、入会いただいたお客さまの年代を分析し、そのデータをもとに人事異動を行うことです。どの年代とでもスムーズにコミュニケーションをとることができるトレーナーもいれば、特定の年代の方とのコミュニケーションが得意なトレーナーなど、それぞれの特性を加味して配属することで、幅広い年代の方に利用してもらえる店舗をつくっていきたいと考えています。

今年は4店舗の同時オープンを予定しています。ターゲットとするお客さまの近くに出店していくことで、多くの方に気軽に運動に触れて、健康になってもらうことを目的としています。これからもトレーナーの自主性を引き出す環境づくりとあわせて、リピートしたくなる店舗づくりに積極的に取り組んでいきます。

「hacomono」導入事例に関する資料

会員管理・予約・キャッシュレス決済システム「hacomono」を
活用している企業様の導入事例をお届けします。

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