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Instagramを活用した集客の最大化と管理システムによるLTV向上のポイント

2023.07.03

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Instagramを活用した集客の最大化と管理システムによるLTV向上のポイント

店舗ビジネスを活性化させるために必要なことは、集客と既存顧客の継続率向上です。集客において、見込み顧客を増加させる施策として特に有効なのがInstagramです。継続率向上においては、会員管理システムの利用が有効です。

hacomonoでは、Instagramや会員管理システムを活用して「新規のお客さまを集客したい」「顧客体験を向上させて、継続率を向上させたい」と考えるフィットネス事業者の方に向けたオンラインセミナーを2022年12月に開催しました。累計400万フォロワーのInstagram運用実績があるSAKIYOMI社と、導入店舗数2,000軒以上の実績がある店舗DXツールを提供するhacomono社の2社が、集客や既存会員の継続率向上に関する戦略を解説します。

INDEX

PROFILE

土屋 紀友 株式会社SAKIYOMI

インサイドセールスの立ち上げとしてSAKIYOMIにジョイン。その後は営業担当として顧客課題に合わせたアカウント運用の提案を行い、累計50社以上の企業さまのアカウント支援を実現。その後営業責任者として営業全体を統括し、現在は新サービスの立ち上げやアライアンスの推進を行う。

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大友 拓海 株式会社hacomono インサイドセールス

新卒で野村證券株式会社に入社。金融商品のリテール営業に従事した後、MAベンダーのアイセールス株式会社に転職。フィールドセールスやインサイドセールスなど、SaaS営業を一通り経験。2022年5月より株式会社hacomonoに転職。

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1. SNSツールの台頭とそれに伴う消費者行動の変遷

情報収集ツールとして使用するユーザーが多いTwitterやInstagram、コミュニケーションツールとして普及しているLINEを活用することで、効率よく見込み顧客を集客することができます。今回は、視覚的なサービス訴求に強く、ユーザーとコミュニケーションも取りやすいInstagramに焦点を当て、どのように活用すれば効果的なのか、最新の消費者行動を交えつつ紐解きます。このパートでは、株式会社SAKIYOMの土屋氏が解説します。

1-1. 「ググる」から「タグる」「タブる」へ消費者行動が変化

2023年現在、Instagramは情報収集のプラットフォームになっています。

このツールが登場してすぐの頃は、インフルエンサーや芸能人の映え(綺麗でおしゃれな投稿)を閲覧するために使用するユーザーが大半でした。しかし、現在では、Instagram側の意図もあり、友人同士で日常を気軽にシェアしたり、自分の好きなものや買いたいものを探すためのツールに変貌を遂げています。

情報収集することを、Googleで検索することから「ググる」と言うことがありますが、そこから派生して、F1層(20〜34歳の女性)を中心に、Instagramのハッシュタグで検索することを「タグる」、発見タブを使用することを「タブる」と言う風潮も出てきました。

Instagramで発信されている内容も、ブランディングからコンテンツマーケティングへと変化しています。企業がブランド起点で自社商品を紹介するところから、ユーザー起点のコンテンツが主流になり、画像の美麗さよりも参考になる情報に価値が置かれるようになりました。Instagramが登場した当初は、指名検索による新規流入がメインでしたが、現在は、発見タブによって、商品やサービスに知名度がなくても検索が可能になったことも、コンテンツマーケティングへと変化した要因のひとつです。

InstagramのHP化

InstagramのHP化

これまでの消費者行動は「能動的に情報を収集し、比較・検討をして商品やサービス購入の意思決定をする」という流れが一般的でした。近年では、手に入る情報量は増え続け、サービスや商品の品質や価格が均一化されていく傾向にあるため、購入者自身で比較・検討をしたり購入の意思決定をする難易度が上がっています。購入者が商品やサービスを取捨選択するのではなく、「InstagramやTwitterなどのツールによってレコメンドされたものの中から、UGC(User Generated Contentsの略で、ユーザーが生成したコンテンツのこと)を見て購入の意思決定をする」といった流れに、消費者行動が変わってきているのです。

1-2. あらゆる業界がSNSによって再構築された

検索エンジン「Google」の登場は、各業界に集客および販促方法の再構築をもたらしました。個人が運営するブログメディアが増え、企業は露出を増やすために、テレビや新聞・雑誌だけでなく、Web広告を出稿するようになりました。その後、資産構築の観点からオウンドメディアをつくって集客・販促する形へと変化していきました。さらに時が流れ、現在はInstagramに代表されるSNSが受動的情報収集ツールとしての地位を確立し、さらなる集客・販促方法の再構築をもたらしています。

3年ほど前からInstagramを使って商品やサービスを訴求する個人のインフルエンサーが増え、この流れを受けた企業が、Web広告を出す場所をGoogleからInstagramに移すケースも増えてきました。あわせて、利益率を上げるために、企業は自社のInstagramアカウントをつくって集客・販促に利用するようになりました。

Instagramは、2023年3月時点で、日本国内のアクティブユーザーが3,300万人、海外を含めると10億人(ガイアックスソーシャルメディアラボ調べ)と、非常に拡散力の高いメディアに成長しています。今後、商品やサービスの集客・販促を行う際には、Instagramのアカウント作成および運用が必須になると推察されます。

2. 効率的にInstagramのフォロワー数を増やすための4ステップ

Instagramのフォロワー数を効率的に増やすためには、以下の4ステップを意識して運用すると効果的です。

運用ロジック|4つのステップ

運用ロジック|4つのステップ

2-1. ステップ1「プロフィールに便益性と独自性を持たせる」

「プロフィール」にアクセスしてくれたユーザーが、思わずアカウントをフォローしたくなるような状態をつくることが重要です。どのようなユーザーに対して、どのようなコンテンツを提供しているのかが一目でわかるプロフィールページにすると、アクセスからフォローへの転換率が上がるでしょう。

フォロワー数が増えるアカウントにするためには、「便益性」と「独自性」が必須です。この2点について、明確にわかるようにプロフィールに記載します。

便益性とは、アカウントをフォローして投稿を閲覧することで、「ユーザーのどんな困りごとが解消できるのか」「ユーザーにとって、どんなメリットがあるのか」といった、フォローする動機になるポイントです。

独自性とは、アカウントの差別化のポイント、具体的には、類似アカウントにはないそのアカウントだけの優位性となるポイントです。

一例として、アクセスからフォローへの転換率を上げるために有効な文言を簡単にご紹介します。

  • ユーザーの気持ちを代弁したキャッチコピーをつける
    「もっと早く知りたかった」「知らないと恥ずかしい」
  • アカウントフォロー後に取ってほしい行動を具体的に示す
    「まずは、ハイライトをチェック!」「ストーリーズでは有益ノウハウを発信中」
  • フォローするメリットや提供している情報をわかりやすく訴求する
    「Instagram運用のプロ SAKIYOMI」と一文目に記載したり、箇条書きで発信内容を記載するなど、一目でコンセプトが伝わるようにする

また、自己紹介のハイライトを用意しておくことも、フォロワーを増やすために重要なポイントのひとつです。アカウントを運営している理由や、運用者の経歴やバックグラウンドを記載することで、ユーザーに親近感や興味をもたせ、フォロワーに転換しやすくするのです。ハイライトを用意する際には、SNSユーザー行動のフレームワーク「SIPS(Sympathize、Identify、Participate、Share&Spreadの頭文字を取ったもので、ソーシャルメディアに特化した購買心理プロセスのこと)」を使うと効果的です。

2-2. ステップ2「フォロワーとのエンゲージメント(親密度)を高める」

フォロワーとのエンゲージメント(親密度)が高まると投稿をレコメンドしてもらいやすくなり、結果的に新規ユーザーの目にも留まりやすくなるので、まずはエンゲージメントを高めましょう。

SAKIYOMIでは「エンゲージメントの高さ=ホーム率(投稿がどれだけフォロワーのフィードで閲覧されたかを示す割合で、アカウントの質を図る基準として用いる)」としており、40〜50%を目標値にしています。フォロワーのエンゲージメントが高ければ高いほど、Instagramに「質の高いアカウントである」と判断されるためです。エンゲージメントを高めるための方法としては、「ストーリーズの活用」や「インスタライブの活用」があります。

2-3. ステップ3「投稿に対して保存のアクションを促す」

投稿に対してフォロワーにアクションをしてもらうことが、フォロワー以外のユーザーへのリーチ拡大につながります。現在、Instagramのアルゴリズムでは「いいね」の数よりも「保存」の数が重視されます。具体的には、保存の数が多いほど、レコメンドされやすくなります。これは、いいねは「綺麗さやおしゃれさなど、コンテンツへの関心度の高さ」を表す一方で、保存は「ストックしたくなるような情報価値の高さ」を表すためです。

保存のアクションを促すためには、ユーザーがあとから見返したいと思うような「知識・ノウハウ系」「参考情報系」「体験系」のコンテンツを投稿すると効果的です。この3つの系統の中から、どれに特化した投稿を行っていくかは、アカウントを作成したタイミングであらかじめ決めておくとよいでしょう。

バズる目安は、リーチ数(インサイト機能から確認できる、該当の投稿を見たユーザーの数)に対する保存率が2〜3%以上です。

「#(ハッシュタグ)」でバズるイメージをもっている方も多いかもしれませんが、バズる投稿の90%以上は発見タブ経由です。「#」は個人の能動的な情報収集に依存するので、コントロールができません。一方で、保存率は、割合を高めることで投稿がレコメンドされやすくなり、自然と露出が増える仕組みなので、意図的にバズらせることができるのです。

2-4. ステップ4「投稿からプロフィールへの導線を改善する」

投稿のリーチ数を増やすだけでなく、プロフィールに訪問してもらうことがフォロワーを増やすためには必要です。バズっても、プロフィールへの導線が確保できていないとフォロワーは増えません。フォロワーを増加させるために必要なプロフィールへのアクセス率の基準は1~3%です。プロフィールへの導線を改善する際は、以下の2点に留意してください。

  • 投稿の最後にプロフィール画面を入れ、画像にタグ付けをする。
  • フィード・リール投稿のキャプションの一番上で、アカウントをメンションする。
動線(Trafficline)を設置する

動線(Trafficline)を設置する

3. Instagramで競合他社に勝つためには「属人性」が重要

Instagramを利用するユーザー数の増加に伴い、競合他社の参入も急激に増えています。比例して、投稿が閲覧されたり、アカウントがフォローされる難易度も高まってきています。ただ質の高い投稿をするだけではフォローされにくいため、競合他社との差別化を図るために、アカウントに属人性(専門性、親和性、権威性)をもたせることが重要です。

3-1. 属人性を重視するべき3つの理由

・投稿を上位表示させ、閲覧されやすい状態を生み出せる

Instagramは、ユーザーのアクション頻度が高く、滞在時間の長いアカウントが上位に表示される仕様です。シグナル(アクションや滞在時間)を増加させるためには、ターゲットとなるフォロワーの興味関心を引く必要があるため、属人性の発揮が重要です。

・アカウントをフォローしてもらいやすい状態を生み出せる

属人性を発揮することで、アカウントをフォローするきっかけをつくることができます。前述の通り、競合間の競争が激化し、投稿の質だけでは差別化ができなくなってきていることから、ターゲットのフォロワーに「まさに自分に向けて発信されているアカウントだ」と感じさせる工夫が必要です。

・商品やサービスを購入してもらいやすい状態を生み出せる

フォロワーに商品やサービスを購入してもらうためには、それらの魅力に加えて発信者への信頼の醸成が重要です。商品やサービスが均一化され、価格や品質での優劣の判断が難しくなってきているため、「この人(企業)から買いたい」と思わせることが重要です。属人性を発揮することで、ターゲットとなるフォロワーの信頼を獲得できます。

3-2.「属人性」の創出に有効な機能

属人性を創出するためには、フィード投稿ではなく、ストーリーズやインスタライブなどの機能を活用すると良いでしょう。以下に具体的な方法を紹介します。

■SAKIYOMIの例

弊社SAKIYOMIアカウントの例

弊社SAKIYOMIアカウントの例

・DM対応・ストーリーズの活用

質問BOXを活用し、フォロワーからの質問に丁寧に回答することで信頼を得ることができます。DMで直接フォロワーとやりとりできるため、親密度も高まります。

・インスタライブの活用

10分程度の短いライブで問題ありません。アカウントの発信者が顔出しをすることで、親近感や安心感がわき、フォロワーとの親密度が高まります。

DMや質問BOX、インスタライブの実施によって属人性を発揮したアカウントの構築ができると、フォロワーを巻き込んだ商品やサービスの訴求が可能になります。コアなファンをはじめ、フォロワーがリアクションしてくれる頻度が高まるため、そこで得た商品やサービスを利用したフォロワーの口コミを、参加者・利用者の声としてInstagramに掲載することもできます。掲載された口コミを見たフォロワーがさらに購買行動を行うといった、いい循環が生まれます。

4. 会員の退会を防ぎ、継続率を向上するためのポイント

集客に成功し、実際にフィットネスクラブに足を運んでくれる会員が増えたとして、彼らに長く続けてもらうにはどうしたらよいのでしょうか。ここからは、「hacomono」のシステムを活用した会員の継続率向上の施策について、株式会社hacomonoでインサイドセールスを担当する大友 拓海が解説します。

4-1. フィットネス業界の現状

施策の解説をする前に、フィットネス業界の現状を紹介します。

2000年から2019年までは右肩上がりで、市場規模は4,939億円でした。2020年は、コロナ禍によって3,196億円まで急落しましたが、2021年以降は回復傾向にあります。

以前は、総合型フィットネスクラブがメインでしたが、24時間ジムやパーソナルトレーニングジムなど業態が多様化してきていることも特徴です。コロナ禍の影響で閉鎖した駅近の飲食店の跡地に、小型ジムができるケースも増えています。全国的に店舗数が増えているだけでなく、フィットネスクラブにコワーキングスペースやサウナ、ゴルフ練習場が併設されている店舗もできるなど、付加価値の創造も盛んです。

昨今、フィットネスクラブを運営するうえでは、競合他社の新規参入や施工費用などのコスト高、市場の低価格化、人材不足、会員の継続率低下などが主な課題になっています。これらの課題を解決できなければ、事業継続が難しい可能性が高くなると推察されます。

会員数の確保に関しては、良質な顧客体験の提供が重要です。それができれば、入会率や継続率の向上だけでなく、紹介率の向上にもつながります。「良質な顧客体験をした人の95%が紹介する」という調査結果もあります。

顧客体験の質を高められるかどうかは、「集客から入会までの過程で、お客さまにとって気持ちの良い導線をつくれるかどうか」にかかっています。また、継続率向上のために、入会後の店舗利用期間中に会員が求める良質な体験を提供することも大切です。顧客体験の差別化によって、前述の課題の大半を解決することができると考えられます。

それでは、実際にどのような動線設計にすべきか解説します。

5. 初回見学で入会しない約70%を入会させるための秘策

初回見学の入会率は業界平均で約30%です。入会しない70%を入会につなげるためには、どのような導線にすれば良いのでしょうか。

以下に、効果的な導線設計の例を3つ紹介します。

・見学・体験予約から決済までをオンライン上で完結させる

見学や体験の予約から料金の支払いまでをオンライン上で完結できるようにします。個人情報の入力から決済までをすべてオンラインに移行して店頭での手続きをなくすことで、顧客体験の向上につながります。

なお、体験は無料ではなく有料のほうが入会につながりやすい傾向にあります。

・定期的な接触を図るためにLINEのお友だち登録を促す

SNSやホームページからLINEのお友だち登録に誘導します。LINEでお友だちになることで、お客さまと定期的に接触を図れるためです。LINE公式のリッチメニューには、ホームページ、予約ページ、入会ページ、マップを載せると効果的でしょう。

「体験予約や入会をしたい」と思っても、どこから手続きできるのかわからない導線だとお客さまにとってストレスになります。リッチメニューにこれらのページを載せることで、スムーズに見学や体験の申し込みをしてもらうことができます。

・LINEを活用して、メッセージを定期的に自動配信する

「見学や体験から2週間以内の方に向けた入会キャンペーン」といったような期間限定のクーポンをLINEで配信すると、受け取った側は特別感を得られ、入会する確率が高まります。

一方で、送られてくるメッセージがキャンペーンの案内だけだとブロックされてしまう可能性が高まります。対策として、ビジネスマンが多いフィットネスクラブであればビジネス書籍の案内を送るといった、会員の属性に合わせた、会員にとって需要のあるメッセージを送るとよいでしょう。

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