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「エンタメ×ピラティス×筋トレ×独自開発マシン」でコロナ禍の西海岸を席巻する「The Studio(MDR)」の体験レポート

2023.07.03

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「エンタメ×ピラティス×筋トレ×独自開発マシン」でコロナ禍の西海岸を席巻する「The Studio(MDR)」の体験レポート

2018年版IHRSAグローバルレポートによれば、日本のフィットネス参加率は3.35%(会員数:424万人)と低い一方、アメリカ合衆国は20.30%(会員数:6,086万人)、 イギリスは14.80%(972万人)、ドイツ12.90%(会員数:1,061万人)と多くの人々が、日頃から運動に取り組んでいます。アメリカやヨーロッパで人気を博したトレーニング方法、マシン、食事指導などは、海を渡り、やがて日本にも入ってくるため、海外トレンドを把握することはビジネスにおいて非常に重要です。

そこで、フィットネス先進国と言われるアメリカ合衆国を中心とした海外の最新トレンドを、現地在住の日本人が取材し、毎月ご紹介します。今月は、コロナ禍においてロサンゼルスでの多店舗展開に成功している「The Studio(MDR)」の体験レポートをお届けします。

INDEX

1. 西海岸の人びとの暮らしに魅せられて誕生した「The Studio(MDR)」

ロサンゼルスでは、2020年3月にロックダウンが発令されました。大手フィットネスクラブからローカルのジムまで、フィットネス関連の店舗の営業は全面的に禁止となり、ほぼ丸1年営業ができない状況に陥りました。中小企業には政府からの資金援助があったとはいえ、それは一時的なものであり、先の見えない時間だったのは日本もアメリカも同様といえるでしょう。

この期間にオンラインレッスンが急速に普及したものの、米国フィットネス業界もかなりのダメージを負いました。室内営業の許可が下り、続いてマスクの着用が任意になり、最後に人数制限が解除になる、といった段階を踏んで、2022年6月にようやくほぼ制限のない、コロナ禍前と同じ状態での営業が可能になりましたが、一度離れてしまった顧客は戻らず、閉鎖したジムやスタジオも少なくありません。

そのようななか、2023年1月に5店舗目をオープンし、さらなる拡大を予定しているローカルのピラティスジムがあります。その名も「The Studio(MDR)」(※MDRはMarina Del Reyの略)。今回は、コロナ禍においても複数の店舗展開に成功した「The Studio(MDR)」の強みに迫りたいと思います。

ピラティスジム「The Studio(MDR)」のオーナーであるリサ・ハーシューソロモンは、2011年にニューヨークからロサンゼルスへ移住してきました。その時に目をつけたのが、西海岸の人々の暮らしぶり。彼女の言葉をそのまま借りれば、「They love eat, drink and workout(彼らは皆、よく食べてよく飲んで運動するのよ)」。彼らの生活はいたってシンプルであり、東海岸の出身であるリサからすると、パームツリーが映える青い空のもとで明るく能天気に過ごしている、そんな西海岸の人々の性質が魅力的に映ったようです。

現在、「The Studio(MDR)」は、西海岸を中心に5店舗あり、マリナ・デル・レイ、マンハッタンビーチなど、比較的高所得者が多いおしゃれなエリアに集中しています。東京でいえば、自由が丘、成城といったあたりといえるでしょう。

リサが好んで通っていたニューヨークのピラティススタジオのメソッドをロサンゼルスにもっていこうと決意したのは、今から15年前のことであり、リサ自身はインストラクターではありません。当時、音楽業界というエンターテインメント業界にいた彼女は、フィットネス業界というまったく違う業種でどのように成功を収めたのでしょうか。成功の要因を知るべく、筆者は「The Studio(MDR)」マンハッタンビーチスタジオの体験レッスンに申し込みました。

そのスタジオは、2週間前にオープンしたばかりで新しく、立地も海から車で10分程度の治安のいい街にありました。この店舗が入居している大型のモールには、アメリカ人が好んで通うオーガニックのスーパーマーケットやイタリアン、スムージーを販売するお店といったカジュアルなレストランやカフェが多く集まっています。

店舗の前に到着すると、ガラス張りのスタジオは外からでも一部見えるようになっており、ショッキングピンクのイメージカラーは入る前から気分をウキウキさせてくれます。女性会員が多いため完備されているパウダールームは、時代に合わせてオールジェンダー向けの仕様(※)となっているうえ広く、まるでホテルのようでした。

※カリフォルニア州では2016年、カリフォルニア州の行政機関やビジネスの建物内に設置されている1人用トイレについて、性別で区別せず、すべての性的アイデンティティーの人が利用できる「ジェンダー・ニュートラル(すべての性別用)」のトイレにする法案に署名している。
ACLU Southern California:https://www.aclusocal.org/en/know-your-rights/restrooms

「エンタメ×ピラティス×筋トレ×独自開発マシン」でコロナ禍の西海岸を席巻する「The Studio(MDR)」の体験レポート

2. 「エンタメ性」と「アメリカンの心をくすぐる強度高めのレッスン」が成功の鍵

ロサンゼルスでも相変わらず、リフォーマー(ピラティス専用のマシン)を導入したコンパクトなピラティススタジオやヨガスタジオは根強い人気を誇ります。その一方で、競合店舗との差別化の難しさや、人気のインストラクターの独立や店舗移動に伴って顧客も移動してしまう、といった課題をよく耳にします。「The Studio(MDR)」では、それらの課題に対してどのように対処しているのでしょうか。

まず、「The Studio(MDR)」の特徴の1つに、ニューヨーク在住のセバスチャン・ラグリー氏が開発したオリジナルマシン「メガフォーマー」を導入し、同氏が考案したラグリーメソッドを提供していることがあります。リサはラグリー氏とライセンス契約を結び、このマシンを初めて西海岸に持ち込みました。

メガフォーマーは、通常のピラティスと比較して、より柔軟性を高めるトレーニングや有酸素要素のあるトレーニングを楽しく安全に行えるように設計されています。従来のリフォーマーよりも二回りほど大きいサイズで、幅はシングルベッドほど、クッション性のある高反発な素材を使用しているため、マシンの上で片足立ちになっても安心です。従来のリフォーマーと同じように、マシンのスプリングは各自のレベルによって調整できます。キャリッジには1から9までの線と番号が印字されており、インストラクターはその番号を使って指導を行います。例えば、「右足を2番に置き、左足をフットバーに置いたまま、右足をゆっくりとスライドさせる。目線は前を見て、両手はバーのまま。そう、ゆっくり呼吸しながら」といった具体的に指示されるため、初心者でも動きを理解しやすいと感じました。

「エンタメ×ピラティス×筋トレ×独自開発マシン」でコロナ禍の西海岸を席巻する「The Studio(MDR)」の体験レポート

レッスンはオンラインによる事前予約制です。到着した人から順に好きなマシンを選び、インストラクターは彼ら彼女らに向かって明るい声で挨拶をして回りながら、マシンのセッティングなどの質問があれば個別に対応します。日本のように、「到着した順に整理券が配布され、それを持ってスタジオの外に並び、レッスンの入れ替えを待つ」という文化はありません。「事前予約制かつ人数分しか予約枠がないのだから、わざわざ早く来て並んで待つ必要はない」という合理的なアメリカンマインドに基づいているのです。

メガフォーマーを用いたレッスンも特徴的です。1レッスンは45分となっており、レッスン中はスタジオの天井に設置された4つの「BOSE」のスピーカーより、常に心地よい音楽が流れています。音楽の選定は各インストラクターに委ねられていて、毎朝20曲ほど選曲するのが日課なのだそうです。

インストラクターはレッスン中、インカムで指示を出し続けるのですが、もともと音楽業界にいたリサがボイストレーニングでもさせているのかと思うくらい、聞き取りやすいトーンでキューイングを出してくれます。

筆者は「The Studio(MDR)」の目玉である「トータルボディ」を体験しました。日曜日の11時からのレッスンには、女性12名、男性2名の計13名が参加していました。このレッスンでは、最初はスローな曲に合わせて静的なストレッチをしながら各関節を温めて可動域を広げていき、徐々にアップテンポになっていく曲に乗せて、筋トレ要素の強いポーズが続くというように、全身を満遍なく鍛えられるレッスンになっています。最後のクールダウンの前には追い討ちをかけるようにプランク。そこからさらに体幹がぶれると微妙に動いてしまうキャリッジが負荷をかけてきます。スローな動作で各エクササイズの間の休憩をなくし、より小さな筋肉を動かし続けることに焦点を当てたレッスンになっており、次から次へと展開していく流れにテンポのよさを感じました。なお、レッスン中に休憩は設けられていないものの、各自、好きなタイミングで給水ができるようになっています。

インストラクターは、随時モディフィケーションを伝えつつ、マシンの間を歩き回りながら受講者のフォームを修正してくれるので、動作がわからずに取り残されたり、落ちこぼれの気分を味わうこともありません。「常に誰に対してもフェアであり、全員にハッピーになってもらいたい」というリサの思いを、各インストラクターもしっかり受け継いでいるようでした。

エクササイズをしながら、ちらりと隣のスレンダーな常連メンバーに目をやると、涼しい顔でスプリングの強度を上げていたのには驚きました。「The Studio(MDR)」は「流行りの曲を聴きながら楽しくエクササイズする」というレッスン形態によって、「ピラティスも好きだけれど、筋トレもしたい」といった、やや強度の高い運動を好むアメリカンの心をがっちりとつかんでいるようです。

ストイックな雰囲気はまったくなく、静かにゆっくりと動き続けるために見た目は優雅なのですが、想像以上に運動強度は高く、20分も経たないうちに筆者の顎からは汗が滴っていました。

この日、レッスンを担当してくれたインストラクターは、「3年間『The Studio(MDR)』に会員として通っていたのだけれど、あまりにも楽しくて。好きが高じてインストラクターになったの」と目をキラキラさせながら教えてくれました。リサはもちろん、受付スタッフ(各スタジオに最低でも1名は常駐している)からインストラクターに至るまで、「The Studio(MDR)」に在籍するメンバーは皆この仕事が大好きで、「人々の健康に貢献したい」という思いにあふれており、そんなメンバーが手がけるスタジオだからか、訪れる会員たちも終始笑顔なのがとても印象的でした。

「エンタメ×ピラティス×筋トレ×独自開発マシン」でコロナ禍の西海岸を席巻する「The Studio(MDR)」の体験レポート

3. 人々の健康と幸せを願う「オープンマインド」が経営の原動力

体験レッスンの後、店舗展開や運営方針などについてリサに尋ねてみたところ、顧客のニーズに合わせて店舗数を増やしていくつもりだが、施設規模を変えることは考えておらず、1施設あたりのマシンの数は15台に留めていると語りました。インストラクターの目が届きやすいことや、受講者との一体感を考えると、この台数がベストなのだそうです。現在は700名強の会員が在籍し、20名のインストラクターが車で15〜30分圏内にある店舗を回って指導しており、会員は相互利用が可能です。料金は、月額定額制のメンバーシップ、もしくはチケット制での前払いとなっており、レッスン数は会員のニーズに応えるべく、朝は5時台から夜は20時台まで、全店舗合わせて1日50本近くを提供しています。

このコロナ禍において業務拡大を実現したリサが成功者であることは間違いありませんが、彼女は夫や飼い犬をこよなく愛し、常にフレンドリーで誰に対しても真摯に接してくれます。「人々の健康や幸せに関わることが、巡り巡って私の人生も豊かにしてくれているのよ」と、彼女は笑顔で語ります。メガフォーマーの日本展開についても尋ねると、「開発者のラグリーとのライセンス契約になるけれど、フランチャイズに興味があれば日本の方ともいつでもお話しがしたいわ」と、リサらしいオープンマインドで答えてくれました。

これはフィットネス施設に限ったことではないと思いますが、「The Studio(MDR)」を愛するメンバーが集っている店舗は自然と笑顔の輪が広がり、いい空気が循環していてとても居心地よく感じました。さらにエンターテインメント性もあることで、「また行きたい」という気持ちになりました。

体験レッスンが終わり、汗だくで顔を真っ赤にして肩で息をしていた筆者に、お隣の常連さんはにっこり笑って「Good Job!(よくできていたわ!)」と声をかけてくれ、筆者の疲れた顔も自然と笑顔になりました。店舗やレッスンの雰囲気、居心地のよさは、インストラクターの努力だけでなく、受講者側の努力も合わさって構築されていくものなのだなと改めて感じた出来事でした。

その後、お隣の彼女は一緒に参加していた友人とランチに行くようで、さっとパーカーを羽織り、友人とレストランの話題で盛り上がりながらスタジオを後に。まさにアメリカ西海岸の「They love eat, drink and workout」を感じさせる素敵な週末時間でした。

(取材・写真 村山 房子 / 文・編集 松居 恵都子)

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