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「余分なモノは置かない」厳選したサービスでトレーニングを「継続」しやすい環境を実現。日本の健康課題解決を目指す

2024.07.03

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「身体を鍛えるマシンだけが置いてあるジム」「余分なモノは要らない」などシンプルを追求した施設コンセプトが目を惹くトレーニングジムAxis。同店を立ち上げた熊谷真尚氏は、少子高齢化が進む日本の将来を危惧し、このジムを立ち上げました。同氏に、店舗コンセプトを決めるうえで意識したポイントについて聞きました。

INDEX

PROFILE

熊谷 真尚 トレーニングジムAxis 代表

少子高齢化が進む日本の将来を危惧し、24時間・無人ジムがまだ珍しかった2009年、トレーニングジム「Axis」を立ち上げる。サービスを厳選することで、質の高いトレーニングと、低価格による継続しやすい環境の両立を実現。熊谷氏は「Axis」の運営のほか、一般社団法人日本トレーニングジム機構 理事長、認定NPO法人日本武道総合格闘技連盟 副理事長、総合格闘技空手道禅道会 師範、葉隠接骨院 院長など多くの肩書をもつ。2023年にはランニングジム「RunFit」も開業している。

https://www.axis24.net/

https://www.runfit24.net/

1. 健康課題解決のため“日常的に立ち寄りたくなる”ジムを立ち上げ

——熊谷さんは、以前格闘家として活動されていたそうですが、なぜジムを立ち上げようと思ったのでしょうか?

空手道場で指導をしたり総合格闘技の選手として活動していた約25年前は、今のように競技ルールがまだ整っていない黎明期でした。仲間も含めて大きな怪我に悩まされたため、自分と同じように苦しんでいる方をサポートしたいという想いから、セカンドキャリアとして整骨院を運営することを決めました。

柔道整復師の資格を取得するため入学した学校の授業で、日本の人口ピラミッドを目にする機会があったのですが、「このままでは少子高齢化で莫大な医療費が必要になり、日本の財政が破綻してしまう」と危機感を覚えました。この問題を何とかするには、怪我をした方をサポートする2次予防ではなく、怪我をしない、または病気にならない体づくりをサポートする1次予防、つまり健康増進事業に取り組まなければと思い、2009年に24時間・無人のトレーニングジム「Axis」(以下、アクシス)を立ち上げました。

「余分なモノは置かない」厳選したサービスでトレーニングを「継続」しやすい環境を実現。日本の健康課題解決を目指す

——ホームページには、有酸素マシン・テレビ・シャワー・娯楽について「なし」と明記されています。このシンプルなサービス内容とした理由を教えてください。

怪我や病気予防につながる、本当に人の役に立てるジムってどのようなものだろうと考えた結果、このかたちに辿り着きました。有酸素運動はジム以外でもできますし、シャワーやテレビも自宅にある方が多いと思います。これらを省き、体を鍛えることができるマシンを厳選することで、圧倒的な低価格を実現しながらもしっかりとしたレベルのトレーニングができる環境を整えました。

指導も「なし」としているのは、トレーニング知識を高めたり、自分に合ったトレーニングを見つけていただくためにも、お客さまご自身で学んでいただくことが大切だと考えたからです。トレーナーに言われたままに行う受動的な姿勢ではなかなか知識も身に付きませんし、そのトレーニングが自分に合っているかもわかりませんよね。「パーソナルジム」の逆の考えで、健康増進を歯磨きと同じレベルにしたいという想いがあったんです。歯を親に磨いてもらうのは子どものうちだけですからね。会員の方に聞かれた際は指導ではなくアドバイスというスタンスで行っています。

——施設デザインについて意識した点はありますか?

例えば、ディズニーランドは「非日常」を演出することが重要だと思います。プレミアムという考えです。道場での指導も非日常を意識しています。しかし健康になるための運動は日常の延長である必要があると思い、プレミアムではなくルーティーンにしていくために色々と模索しました。そこで気軽に立ち寄れる施設とは?を考えて、思いついたのが「コンビニエンスストア(以下、コンビニ)のようなジム」でした。

——なぜコンビニなのでしょうか。

コンビニは日常的に利用しやすいヒントの宝庫です。駐車場の配置、建物の設計、陳列棚の配置など、消費者心理に基づいて「自然と人が入りたくなるようなつくり」にされていることがわかりました。それを活用させてもらおうと、ほとんどの店舗でコンビニの跡地を利用しています。最近ではchocoZAPさんがコンビニジムと言っていますが、日常化を目指すと同じような発想になるんだと思います。

「余分なモノは置かない」厳選したサービスでトレーニングを「継続」しやすい環境を実現。日本の健康課題解決を目指す

2. 圧倒的な低価格で価格競争を回避

——2,500円(税別)という価格にした理由を教えてください。

主に公共施設のトレーニングルームを利用している方をターゲットに考え、この価格にしました。公共施設の利用料が1回200〜300円ぐらいなので、月に10回ぐらい利用したら大体これぐらいですよね。中途半端な価格でスタートすると、いずれは価格競争に巻き込まれることはわかっていたため、最初から限界の底値を設定して、そのうえで利益を出す仕組みを考えました。ほとんどの事業は、途中から値上げはできても値下げをするのは難しいものなので、最初のプライシングはとても重要だと思います。

運営管理は少人数で行っており、格闘技を教えていた信頼できる仲間が清掃スタッフを務めてくれています。仲間には各店舗でトレーニングもしてもらい、それがセキュリティを兼ねてくれており、WIN-WINとして人件費があまり膨らまないまま店内を綺麗に保つことができています。集客はホームページが中心ですが、現在は口コミなども増えて、広告費などを一切かける必要がない状態をつくれています。

——ビジネスモデル的にFC展開にも適しているように思います。

低価格でのFC展開というのは難しいので、サポートやコンサルに近いかたちで店舗展開をしています。オーナーさまには仕組みやシステムを提供して共有していますが、店舗名を変えてもらい、別のジムとして出店してもらっています。物件のサイズや立地によっても色々と条件が変わってしまいますので、一律のFCではなく、柔軟に対応できるようにブランドを変えるわけですね。直営で10店舗ほど経営しており、それ以外の店舗はサポート店という位置付けです。オーナーさまの中には、別で本職を持ちつつ、夜に自分のジムに立ち寄り、掃除や受付などをする、という方もいますが、それが理想的だと思っています。健康増進に寄与しつつビジネス的にも適度なプラスが出れば良く、僕がサポートしているのはそのような方が多いです。

3. 25年を経てコンセプトに合う時代に

——24時間ジムのエニタイムフィットネスの日本1号店が2010年ですから、アクシスの開業はそれよりも早かったのですね。

だから当時はいろいろ言われましたね。危ないじゃないかとか、盗まれるんじゃないかとか。しかし、当時から人口減少はわかっていましたから、無人化するのは当然の流れだと思っていました。また、インターネットが出てきたこと、2007年に発売されたiPhoneで、これから情報格差がなくなると思いました。人は自分で調べることのできる環境と習慣をもてば本当に必要なことを取捨選択できるようになるので、指導をしない無人ジムというコンセプトがようやく時代に合ってきたと感じています。最近ではそういう24時間ジムが全国に増えてくれたので、僕が日本の健康について考える必要も薄れてきたため、直営店は地域密着型として集中し、別の地域の店舗はサポート店のみにしています。

——熊谷さんには先見の明があるように思います。

過去の経験によるかもしれません。格闘技や武道って、相手が苦手とすることを読み解いて突くことが大切なんですが、その逆の発想で、人にとって本当に必要なものって何だろう?を突き詰めたことがアクシスの発案につながっていると思います。当初は一気に人が集まるようなビジネスではありませんでしたが、ジワジワ認知度が広がり、店舗を増やすことができました。色々なジムに行ってからアクシスに落ち着いたり、掛け持ちしている方もいて「こういうジムを求めていたんですよ~」という意見が増えているのはとても嬉しいですね。

——2023年にはランニングジム「RunFit」も開業されました。

有酸素運動をメインに行いたい方向けに立ち上げました。有酸素運動しかできない、それ以外は何もないジムです。近年の夏は暑すぎて外を走ったり歩くことが難しいと思うので、利用していただきたいと思っています。筋トレだけでよい方はアクシス、有酸素だけでよい方はRunFit、両方必要な方は相互利用できるようにすることで、利用される方にとって最も経済的に最適な選択ができるようにしたいと思っています。

——相互利用が始まったら、気分や天候によって使い分けることもできて、さらにトレーニングの継続につながりそうだと感じました。本日はありがとうございました。

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