※右より、COOの倉岡征克氏、広報・販促PRを担当する近藤奈穂氏、Webマーケティングを担当する坂本健次郎氏
オーストラリアで生まれたフィットネスボクシングスタジオ「UBX BOXING+STRENGTH」(以下、UBX)の日本代理店を務める株式会社UBX(ユーボックス)JAPAN。同社COOの倉岡 征克氏は、長年フィットネス業界に従事し、前職でも海外のブティックフィットネスブランドの日本代理店において執行役員を務めた人物です。同氏に、UBXの魅力や海外ブランドを日本で成功に導くためのポイントについて語っていただきました。
INDEX
PROFILE
倉岡 征克 株式会社UBX JAPAN COO
大学卒業後、大手総合フィットネスクラブへ入社。現場や本社で勤務した後、フィットネスコンテンツの販売会社へ転職。その後、海外のブティックフィットネスブランドの日本代理店の執行役員を務める。フィットネス業界での豊富な経験を活かし、2022年新規事業立ち上げプロジェクトチームの一員として参画し、オーストラリアのブランドであるUBXのFC権獲得に従事した後、設立した株式会社UBX JAPANのCOOに就任した。
1. ボクシングの要素を含むUBX、日本との親和性を見出し導入
——倉岡さんのこれまでのキャリアを教えてください。
大学卒業後、大手総合クラブへ入社し、3年ほどインストラクターとして現場を経験した後、本社の店舗運営統轄部でインストラクターを統轄する業務を7年ほど担当しました。その後、転職して海外のエクササイズコンテンツやツールをフィットネス施設へ提供する仕事に10年ほど携わり、前職となるブティックフィットネスブランドの日本代理店へ転職しました。そこでは執行役員としてアメリカの本部とやりとりしながら、店舗での運営指導を行いました。このような感じで、会社は違いますが、ずっとフィットネス業界で働いて来ました。
——今回、海外のワークアウトのなかからなぜUBXを選んだのでしょうか?
日本に未導入の海外のワークアウトを提供するブランドはまだたくさんあります。当社でもいろいろなブランドを検討しましたが、今後の将来性を考えて、ボクシング要素を含むUBXを選びました。日本はボクシングや柔道など格闘技との親和性が高い国でありながら、ボクシングの競技人口は数千人とまだ少ないので、成長余地が高いだろうと考えました。
——UBXのワークアウトの魅力や特徴について教えてください。
UBXで提供するワークアウトは「ボクシング+ストレングストレーニング」で、4度のボクシング世界チャンピオンになったダニー・グリーンと元ラグビーのオーストラリアやアルゼンチン代表の強化コーチであるブラッド・ハリントンが監修しています。
ワークアウトは1ラウンド3分、1周12ラウンドからなるトレーニングエリアをサーキット形式で回り、全部で24種類のトレーニングを行うことになります。この24種類は日々変わるので、飽きずに楽しくワークアウトを継続できます。
UBXには決まった時間に提供する“クラス”の概念がないので、予約も不要です。いつでもフラッと施設にきて、空いているラウンドから開始できます。疲れているときは数ラウンドで終えてもいいですし、自分のスケジュールや体調に合わせて調整しやすいことも特徴です。店舗には常時2人のコーチがいて、お客さまのフォームや強度を修正したりミット打ちを行うなど、マンツーマンでの指導も行います。
2. 文化の違いを乗り越え、本部との信頼関係構築が成功の鍵
——海外ブランドを日本で展開し、成功するために重要なことは何だとお考えですか。
本部としっかり信頼関係を築くことですね。過去の経験でもありましたが、例えば日本のカルチャーに馴染みにくいなと思うことも、本部からすれば「ほかの国々で実現できているのだから日本でもできるはず」となるんですよね。そのような認識の違いを一つひとつ解消し、信頼関係を構築していくことがとても大切だと思います。あと、これは日本・海外関係なく起こることですが、本部の想定と、現場との間にはギャップが生まれやすいです。当社でも、今後ギャップが発生した際に、いかにそれを埋めていけるかが課題になってくると考えています。
——店舗デザインにおいて、日本のカルチャーを加味して変更した点はあるのでしょうか。
世界中、どこでも同じ体験ができる一貫性を大切にしたいのでほぼ同じ仕様にしていますが、女性専用ロッカーだけは日本特有です。海外店のロッカーはユニバーサルデザイン(年齢や性別、身体の状況などにかかわらず、誰もが平等に利用できる仕様)ですが、日本ではまだ抵抗がある方もいると考え、こうしました。
——顧客属性について海外との違いはありますか。
海外の店舗では6:4や7:3ぐらいで女性が多いんですが、日本では元々ボクシングやキックボクシングをやっていたなどの理由で男性が多くなっています。ブランドカラーがブラックを基調にするシックなものであることも影響しているのかもしれません。今後は女性にももっとたくさん参加していただけるようPRしていく予定です。
3. 競うのは世界。共通アプリで楽しみながら成長できる環境へ
——今後の店舗展開のご予定について教えてください。
現在のところ、テストマーケティングも含めてすべて直営店となっていますが、年内にFC店を1店舗は出したいと思っています。その先では、2027年ごろに50店舗、2030年には100店舗を達成したいですね。店舗を増やすことで、ボクシングがより身近なワークアウトになったら嬉しいです。今後はadidasさまと提携してウェアやグローブも展開していく予定ですから、ブランディングの強化にも力を入れていきます。
——お揃いのウェアやグローブを身に付けて運動したら、仲間意識の醸成にもつながりそうです。
コーチとお客さま、またお客さま同士の絆をつくる「コミュニティの醸成」は、まさにUBXが目指すところです。そのほか「フィジカルの向上」、達成感やストレス発散による「より良いメンタリティの醸成」を合わせた3つを実現することで、お客さまの生活や人生をより充実したものにしたいと考えています。
——6週間の肉体改造プログラム「トレーニングキャンプ」など、ユニークなイベントもコミュニティの醸成に向けたものでしょうか。
その通りです。今年のトレーニングキャンプの成績優秀者には気球のフライト体験をプレゼントしました。国内の参加者のみで開催しましたが、今後は世界のお客さまと一緒に競い合いたいですね。
そもそも、UBXでは心拍数を計測し可視化・データ化する「Myzone」を世界共通で導入しています。ワークアウト中のお客さまの心拍数はモニターに投影するほか、その数値は「Myzone」アプリ内に記録されますから、自分のデータを世界と比較することも可能なんです。世界と競争しつつ、自分を高めていけることもUBXの魅力の1つだと思います。