パーソナルジムになかなか新しいお客さまが入会せず、どうすればよいか頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。新規出店が多い傾向にあるため、高価なトレーニング器具を設置して、人柄がよく、実力のあるトレーナーがいたとしても、うまく宣伝しなければ継続して集客することが難しい状況です。
パーソナルジムの集客を成功させるためには、知っておくべきポイントと効果的な集客方法があります。そこで今回は、集客に成功するための具体的な方法をあげつつ、押さえておくべきポイントについて解説します。
INDEX
1. パーソナルジムが集客できない理由
パーソナルジムはいくらトレーニング内容がしっかりしていて、トレーナー自身のトレーニング方法がすばらしいものであったとしても、集客できない場合があります。効果的な集客をするためには「いかにうまく、お客さまに店舗の情報を届けることができるか」が、重要なポイントになります。
また、最近では、健康への意識が高まってきた影響で、パーソナルジムが数多く新規出店しています。競合となる他店との差別化をしっかりとアピールしないと、なかなか集客につながりません。
2. パーソナルジムの集客で重要な購買サイクルとは?
パーソナルジムで集客するには、「購買サイクル」について理解することが重要です。購買サイクルとは、お客さまが、サービスを知って興味をもち、購入し、リピートするまでの流れを指します。認知する→興味を持つ→比較検討する→購入する→継続する→応援する、の6段階のステップがあります。ここでは各ステップについて具体例をあげながら解説します。
2-1. 認知
まずは「パーソナルトレーニングジムがある」ということをお客さまに知ってもらうことからはじまります。これを「認知」と呼びます。認知されるためには、SNSや広告、チラシ配りなどが有効です。
2-2. 興味
認知してもらったならば、次にお客さまの「興味」を引かないといけません。興味を抱いてもらうためには、SNSや広告に加えて、ホームページやブログなどでアピールするのも効果的です。
2-3. 検討
認知し、興味をもってもらえれば、お客さまは次に購入を「検討」します。パーソナルジムの場合は入会を「検討」します。このときに他店との差別化を図るために、SNSやホームページなどでアピールするのはもちろん、比較サイトに情報を載せるなど、その店舗だけの特徴を明確にするのがおすすめです。
2-4. 購入
お客さまはさまざまなサービスを比較検討したあとに「購入」します。パーソナルジムの場合は入会をします。購入欲(入会欲)を向上させるには、お得なキャンペーンやクーポン、よい口コミを集めるなどが有効です。
2-5. 継続
お客さまは一度購入(入会)したあと、「継続」するかどうかを考えます。継続してもらうには、LINEやInstagramなどのSNS、メルマガなどを通じてお客さまによい印象を与え続けることをおすすめします。
2-6. 応援
継続利用しているお客さまは、よいサービスだと思っているため、最終的に店舗を「応援」してくれるようになります。友だちや家族にそのサービス(店舗)を紹介することで認知が広がっていき、知名度が上がることで集客しやすくなるといったよいサイクルへとなっていきます。
3. パーソナルジムの具体的な集客方法
パーソナルジムの公式ホームページの閲覧や店舗に足を運んでもらうためには、SNSや広告、チラシなどが有効です。ここではパーソナルジムへの集客効果がある具体的な方法について紹介します。
3-1. SNSを活用する
パーソナルジムの集客を考えた際に、LINEやInstagram、TwitterなどのSNSを活用するのは有効な方法です。日本では、SNSを見ることが習慣化している人が多く、すきま時間や移動時間などに手間なく見てもらえるため宣伝効果があります。
SNSでの広告は短く分かりやすくするのがおすすめです。伝えたいことが多いからといって宣伝が長くなると、見込み顧客となるユーザーは途中で飽きてしまって最後まで見てくれない可能性が高くなるためです。
また、SNSでの宣伝は、興味深いものや面白いものは、ユーザー自身で拡散してくれるため、バズれば(多くのユーザーに投稿が閲覧される状態になれば)かなりの宣伝効果が得られるのも特徴です。
3-2. Web(インターネット)広告(リスティング広告)を活用する
Web広告(インターネット広告)を使うのも効果的な手段です。インターネット上に広告を出す場合は、リスティング広告がよいでしょう。これはパーソナルトレーニングジムに興味がありそうなユーザーをシステムが自動で調べて、そのユーザーのインターネット閲覧画面に適切な広告を表示させるシステムです。インターネットの利用者が、フィットネスやトレーニングなどの単語を検索すると、優先的にそれらの広告が表示されます。
インターネット広告はパーソナルトレーニングに興味がありそうなユーザーを選んで広告を表示させるため、宣伝効果としても非常に高いといえます。短期間で集中的に宣伝したい方におすすめの方法です。
3-3. YouTubeで具体的なトレーニング方法を発信する
YouTubeをはじめとする動画サイトで、具体的なトレーニング方法を配信・紹介するのも有効な宣伝方法です。実際のトレーニングのイメージがわきますし、トレーナーの性格や人柄も伝えられるため、ジムの雰囲気にマッチしそうなお客さまを集客できる可能性が高くなります。
SNSとYouTubeを連動させることでより宣伝効果が高まるため、片方だけではなくて両方で実施するのがおすすめです。
3-4. 店舗のホームページのSEO・MEO対策をする
店舗のホームページを、Google検索などで上位に表示させるための対策をするのも有効です。SEOはホームページを検索順位の上位に表示させやすくするための対策で、MEOは地域名といっしょに検索した際にマップで上位に表示させやすくするための対策です。
検索上位に自店舗のホームページがあれば、それだけユーザーに見てもらえる回数が増えるため宣伝効果が高まります。SEO、MEOは専門知識が必要なため、効果を最大化するためには専門業者に相談するのがおすすめです。
3-5. Googleマイビジネス・Yahoo!プレイスの活用
GoogleマイビジネスやYahoo!プレイスを利用するのも、有効な宣伝になります。これらのシステムは、自店舗の会社情報を登録することで、GoogleやYahoo!のユーザーが検索するほか、マップを利用したときにビジネスの情報を表示できる無料のサービスです。
わざわざホームページまでいかなくても、マップ上で営業日や営業時間やサービス内容などのビジネス情報を閲覧できるためユーザーに訴求しやすいことから、宣伝効果がアップしやすくなります。
3-6. チラシの配布をする
チラシの配布も集客効果が期待できます。チラシの配布は、主に駅前やショッピング施設の前などで不特定多数の人に配る場合と、ジムの近隣の住居に配る場合の2種類があります。
チラシを受け取った人に大きなメリットがあったり、インパクトに残るような内容であれば、チラシを手にとってもらえるだけで認知度が上がりやすくなります。チラシは、特に近隣のお客さまを増やしたい場合に有効な集客方法です。
3-7. 体験会やイベントの実施
お客さまの興味を引くためには、無料体験会やイベントをするのも効果的です。パーソナルトレーニングジムは一般的に入会金や会費、チケット代が高くなりがちなため、入会を検討する際に「トレーニング内容や効果を事前にしっかり知りたい」と考える方が多いです。
体験会やイベントを実施すれば、実際にどのようなトレーニングをしているかを宣伝するよい機会になります。体験会やイベントは、お客さまに直接宣伝したい場合や店舗への興味関心度が高く、入会確度が高いお客さまへのアプローチにおすすめの方法です。
3-8. 紹介制度の設定
パーソナルトレーニングジムに紹介制度を作るのもよい集客手段です。例えば、「友人や家族などを紹介すれば、会費やチケット代が安くなる」といったような紹介者にとって大きなメリットがある建て付けにしておくと「友人や家族をジムに連れてこよう」という気持ちが高まり、宣伝してくれます。
例えば、自店舗への入会自体を完全紹介制にすれば競合ジムとも差別化ができますし、プライベート感がより出せます。プライバシーを重視するのもよいですし、キャンペーンの一環として紹介制度を作るのもおすすめです。
4. パーソナルジムの集客で効果的なポイント
パーソナルジムへの集客を増やしたいときに、どのようなポイントに注意して宣伝すればよいでしょうか。ここでは、パーソナルジムの集客を行う際に押さえておくべきポイントを具体的に解説します。
4-1. ターゲットを明確に設定する
まずは宣伝するターゲットを明確に決めることが大切です。どの年代のどのような目的があるお客さまを呼び込みたいのかを打ち出すことで、ターゲットとなる層に興味をもたれやすくなります。
パーソナルジムのお客さまの中には、ボディービルダーのように本格的に鍛え上げたい方もいれば、ダイエット目的や運動不足を解消したいという方もいます。どのような層のお客さまを増やしたいのかによって効果的な集客方法は異なるため、集客を始める前にきちんと決めるようにしてください。
4-2. 競合となるパーソナルジムのサービス内容を調査する
競合ジムが提供しているトレーニングやその他サービスの内容を調べるのも重要です。似たようなコンセプトやトレーニング、サービスのパーソナルジムを運営している場合、どのようにしてお客さまを増やしているのか、どのようなトレーニングやサービスを展開しているのか、営業時間や料金だけでなくトレーニングの時間や内容まで徹底的にリサーチしてください。
細かいところまで調査して比較することで、競合と自店舗の強みや弱みが明確化し、自店舗の立ち位置も深く理解することができます。
4-3. 自店舗の強みとなるポイントを洗い出す
自店舗の強みをできるだけ多く書き出すのも重要なポイントです。自店舗の強みやメリットを理解することで、どのポイントをアピールして宣伝すればよいのかが分かります。
例えば、トレーニングにかける時間が競合のジムよりも長い場合には、「みっちりと満足いくまでマンツーマンで指導する」という点が強みになります。トレーニング以外にも普段の食事指導をするのなら、「日常生活の過ごし方から筋肉トレーニングまで、ひとまとめに指導できる」というアピールになるでしょう。
どんなささいなことでもよいので、できるだけ多くの強みを書き出し、宣伝材料を増やしていくのがおすすめです。
4-4. 競合との差別化を図る
競合ジムとの差別化を図るのは非常に大切です。パーソナルジムは増加傾向にあるため、自店舗の周りに同じようなコンセプトやサービスを提供するジムが乱立する可能性は高くなっています。その際は、慌てずに、自店舗と競合ジムを比べた時に「自店舗に通うことがメリットになる」と思われる点を、前面に打ち出してください。
夜遅くまで営業したり、家でできるトレーニングをオンラインで指導するサービスを付加価値として提供するなど、差別化できるポイントはたくさんあるので、ぜひ考えてみてください。
4-5. 一度にたくさんの施策をやりすぎない
一度にさまざまなキャンペーンやイベントをしすぎないのも重要です。一度に多くの施策を実行してしまうと、お客さまにとっては情報が多すぎて、どのキャンペーンやイベントに参加すればよいのか、何がメリットになるのかが分かりにくくなり、参加率の低下が懸念されます。
また、集客効果があったとしても、「どの施策が、どの層に、どのような理由で効果的だったのか」という検証ができないため、次回からどの施策を優先して行えばよいのか分析できない状況になってしまいます。
5. まとめ
パーソナルジムへ効果的な集客をするためには、お客さまの行動パターンである購買サイクルを意識しながらSNSでの宣伝やYouTube動画の作成、SEO対策、MEO対策、チラシの配布や体験イベントなどを行いましょう。
施策を実行する前に、まずターゲットを明確に設定し、競合ジムのサービス内容を把握して自店舗の強みを洗い出してください。その上で競合ジムにはないサービスを提供し、差別化を図るのがよいでしょう。差別化ポイントを打ち出した宣伝を行う際は、たくさん盛り込むのではなく、1つか2つに絞って簡潔に、ターゲットとなる層に分かりやすくアピールすると効果的です。