創立51周年を迎えた「ニッセイト英語専門教室」(以下、ニッセイト)は、0歳から高校生までを対象とした「使える英語力」が身に付く英語教室です。ネイティブ講師と日本人コーディネーターのW体制と多彩なイベントプログラムで、生徒たちの実践練習を促し、「使える英語力」を身に付けるサポートを行っています。この「ニッセイト英語専門教室」を運営する有限会社ハースの代表取締役である諸田 俊明氏に、立ち上げ経緯や事業の方針についてお伺いしました。
INDEX
PROFILE
諸田 俊明 有限会社ハース 代表取締役
1973年に英語講師として「ニッセイト英語専門教室」に入社。バブル崩壊による親会社の営業不振により、1993年に教育事業部門である「ニッセイト英語専門教室」の営業譲渡を受け「有限会社ハース」代表取締役に就任。2015年には子どもオンライン英会話「Sレッスン」をスタートするなど、長きにわたり英語教育に尽力している。
1. オリジナルのコーディネーターシステムでクオリティの高いレッスンを提供
—— 「ニッセイト英語教室」は創立51周年ということですね。
当社はもともと子どもの英会話教材販売を行う企業が母体で、1973年から英語教室の運営を行っていました。最盛期には東京・神奈川・千葉・埼玉に67教室を展開していましたが、バブル崩壊に伴う親会社の営業不振を受け、親会社と協議の結果、私が4教室を引き継いで独立することとなったのです。その後、教室は池袋と川越の2拠点に集約させ、今に至ります。
—— 「ニッセイト英語教室」の特徴を教えてください。
ネイティブの外国人講師と日本人コーディネーターとがペアになって指導を行うコーディネーターシステムによるW体制が大きな特徴です。生の英語に触れるという意味においては、ネイティブ講師によるレッスンはとても魅力的ではあります。一方で、英語学習の初心者には不安もつきものです。先生が何を言っているかわからない、どう答えたらよいかわからない。場合によっては、この環境はストレスになりかねません。そもそも、言葉の学習は、誰かが使っているのを真似することから始まります。そこでニッセイトでは、日本人コーディネーターが受け答えの手本を示します。ですから子どもたちは、安心して発話できるわけです。他のスクールに通われていた方が体験にいらっしゃると、レッスンの中で子どもたちがたくさん英語で発話している姿に驚かれます。「話させるレッスン」もニッセイトの特徴だと思います。日本人コーディネーターの存在によりレッスンが円滑に進み、学習効率も非常に高くなります。また、読み書きや文法などの指導は日本人講師が行います。この両輪体制により、英語の4技能「話す・聞く・読む・書く」がバランス良く身に付きます。
—— コーディネーターシステムというのは、ニッセイトオリジナルなんでしょうか?
はい、これは他の英語教室にはない、一番の強みですね。もともと、週に1時間という限られた時間の中で、最も効率よく学ぶにはどうすればいいのかと考え、長年の試行錯誤の中でこの体制にたどり着きました。日本人コーディネーターがネイティブ講師をサポートしながら教室をコントロールすることで、経験の浅いネイティブ講師であってもレッスンの質を担保することができます。
コーディネーターはレッスン終了後、保護者の方に、その日のレッスンのフィードバックを行っています。どんな学習をしたか、お子さまがどのように参加していたか、そしてどんな宿題が出されているかなどです。このフィードバックタイムは、保護者の方からとても好評をいただいております。
—— イベントなども実施されていますね。
子どもたちにとって体験学習はとても大切だと考えているので、英語遠足で動物園や水族館に行って、実際の生活の中で英語を使ってみたり、浅草に行って外国人観光客にインタビューをしてみるなど、英語を実際に活用するイベントを行っています。生徒も、英語によって外国から来た方とコミュニケーションをする楽しさを実感してくれていますね。
2. 効率的に英語を習得できる教室として人気に。2015年、いち早くオンライン英会話教室も開講
—— どのような入会動機が多いのでしょうか?
生徒自身というよりは、保護者の希望で入会される生徒が多いですね。保護者自身が英語の必要性を感じていて、「最低限、英語は身に付ける必要がある」と感じられているようです。英語のプリスクールも最近ではとても人気ですが、ニッセイトに通わせていただいている方は、英語も大切だけれど、まずは母国語でしっかりとベースを作りたいという考えの方が多いです。その上で、週に1回程度の学習で楽しく、効率的に英語を身に付ける場としてニッセイトを選んでくださっているようです。
—— 生徒のボリュームゾーンというのは何歳くらいでしょうか?
生徒の対象年齢は0歳から高校生まで幅広いですが、最も多いのは幼稚園の年少から小学校4年生くらいになります。小学校5年生になると受験準備でいったん辞めてしまう生徒が多いですが、中学受験がひと段落した後、再び戻って来てくれる生徒も多いです。
—— オンライン英会話なども、2015年にいち早く導入されています。
今後需要が増えてくるだろうと、2015年にSkypeを利用したオンライン英会話をスタートさせました。そうやってオンライン英会話の知見を積み重ねていたことで、2020年から始まったコロナ禍でも、スムーズにオンライン授業に対応できました。ニッセイトに興味はあったものの、池袋や川越までは来られないという生徒さんも、オンラインレッスンであれば参加できると喜ばれましたね。
3. 親子二代で通う生徒も。目指すは小規模運営だからこそできる、時代に合わせた質の高い教室運営
—— これまで51年間にわたり事業を運営されてきて、良かったと感じられることはありますか?
2023年に、卒業生たちが50周年イベントを企画してくれたんです。多くの卒業生が参加してくれ、本当にうれしかったですね。昔は生徒たちで英語のミュージカルを上演した時期もあり、生徒同士のつながりも強いんです。
—— それは嬉しいですね。
英語を学んだことが生徒たちの人生の糧になっていることを知ると、本当に幸せを感じますね。最近では、親子二代でニッセイト生という方も増えてきました。長く教室が存続できているからこそです。嬉しい限りです。
—— 今後の展望をお聞かせください。
店舗を増やすということはあまり考えていないです。それよりは、レッスンの質を高めていきたいですね。教材も、毎年少しずつ改善を重ねています。そういった、小規模運営だからこそできる柔軟な素早い改善を積み重ね、常により良い運営に取り組んで行きたいと思います。ニッセイトではSNSや動画撮影なども今いるスタッフで対応しているのですが、これからもっと注力していきたいと思っています。今の時代に沿った、効果的なレッスンやPRでたくさんの子どもたちに英語を学ぶ楽しさ、使える楽しさを伝えたいです。