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”友だちにいそうなモデル”を起用、顧客視点と地域性を考慮した施策で効果2倍

2023.12.11

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【後編】この記事は2回に分けてお送りしています。
【前編】はこちらから

「マナビバ」は、ミドル・シニア層をターゲットにした健康スタジオです。運動系とカルチャー系を合わせて40種類以上と豊富なレッスンを提供しています。同世代が集う気楽さや楽しさもあり、コロナ禍中もお客さまからは「絶対に閉めないでほしい」とお願いされたといいます。「マナビバ」を運営する株式会社スマイルラボの水野 佑希氏に、ミドル・シニア層をターゲットとしたビジネス運営のポイントについて伺いました。

INDEX

PROFILE

水野 佑希 株式会社スマイルラボ 取締役 兼 事業本部長

IT企業でエンジニアとして従事した後、株式会社スマイルラボへ転職。エンジニアとしての経験を元に、アナログであったレッスンの予約手続きを「hacomono」でオンライン化したほか、データを元にした分析で積極的に運営の改善に取り組んでいる。

公式Webサイトはこちら

1. 反響ゼロのSNS広告と高反響の新聞折込チラシ、地方なら地域紙も有効

ミドル・シニア層の集客には、店頭でのチラシ配りやポスティング、新聞や地域紙への折込みチラシ、紹介キャンペーンを活用しています。一番反響があるのは新聞折込チラシです。一般的に購読者が減少傾向にある新聞ですが(一般社団法人日本新聞協会「新聞の発行部数と世帯数の推移」)、ミドル・シニア層の購読率は高いです(同「新聞オーディエンス調査2023」。さらに、ポストに直接投函されるチラシと比較して、「新聞に挟まっているチラシなら信頼できる」とも感じているようです。

新聞折込チラシは、店舗から半径2km圏内に、1回につき約15,000部を配布します。オープン直後の1ヶ月間で約30件の問い合わせがあり、そのうち約2/3の方が体験に来てくれます。オープンから日が経っている場合、反響は減少するものの、それでも実施すれば月に最低5件ほどの問い合わせはありますね。

2つの地域紙への折込チラシも実施してみましたが、反響にはかなり差がありました。大牟田スタジオ(福岡県大牟田市)にて地域紙を利用したときは問い合わせが10件、多摩平スタジオ(東京都多摩平)にて利用したときには1件でした。地方のほうが地域紙の購読率が高い傾向があると推測しています。

集客施策の主流であるSNS広告も試しましたが、反響はゼロでした。「マナビバ」を運営してみて、ミドル・シニア層のスマホ保有率は9割と、とても高いと感じていますが、集客施策については地道なチラシのほうが高い効果が得られることを実感しています。

2. チラシの効果2倍、「友だちにいそう」なモデルを起用し自分事化

今年は実験的に画像の異なるチラシを2種類用意し、配布してみました。1つはミドル・シニア世代の女性モデルを起用した画像を、もう1つは実際のレッスン風景を掲載しました。結果は、後者のチラシ施策が2倍の反響を獲得しました。どんな場所なのか、具体的にイメージできたことで「やってみようかな」という興味を喚起し、次の行動に移してもらえたのだと思います。

「60、70、80代の方歓迎」という文言を追加した際も、反響を増やすことができました。まだ数回しか実施していないので、もう少し継続して反響を分析することで、ミドル・シニア層により刺さるメッセージやデザインを導き出したいと考えています。

実際のレッスン風景画像を使用した右の広告が2倍の反響を得た
実際のレッスン風景画像を使用した右の広告が2倍の反響を得た

3. 90代もスマホから手軽に実施、事前準備の徹底で予約のオンライン化に成功

「マナビバ」では、2021年より、会員管理システム「hacomono」を導入し、会員さまのスマホからレッスンの予約ができるようにオンライン化しました。導入前は店長が店頭で会員証を受け取り、会員番号を紙に記入して受け付けをしていました。その作業が月間12時間ほどかかっていたほか、会員さまも受付のために並ばなければならないなど、かなり効率が悪い状態でした。

現在では、スマホをおもちでない一部の方を除き、ほぼすべてのお客さまに円滑にご利用いただいています。表は「hacomono」を利用している年代別の会員数の割合ですが、最高齢は90代の方です。

30代1.1%
40代3.7%
50代19.2%
60代33.9%
70代31.3%
80代10.1%
90代0.3%

一般的に、ご高齢のお客さまが多い店舗の場合、オンライン化を躊躇してしまいがちだと思います。しかし、導入前の準備さえしっかり行えば、問題なく導入できるはずです。事実、「マナビバ」で問題なく利用できていますから。

「マナビバ」でスムーズな導入につながった、事前準備のポイントは次の3つであったと考えています。

  • 1. お客さまに接する店長に仕様をしっかりと理解してもらった
  • 2. 店長がお客さまと同じ目線に立って、繰り返し丁寧に操作方法を説明した
  • 3. 店長用、お客さま用のマニュアルを準備した

特に2.は重要です。「マナビバ」の店長は20代でスマホは使い慣れていますが、お客さまのなかにはそうでない方も多くいます。店長には「『こう伝えれば理解してもらえるはず』と、自分の感覚を当たり前と思わないでほしい」と伝え、どこをクリックするのか、予約フローを丁寧に説明することを意識してもらいました。

導入前後1ヶ月ずつ、合計2ヶ月ほど繰り返しご案内した結果、導入2ヶ月目から問い合わせはほぼゼロになりました。

4. 参加者データをもとにスケジュール変更や人気講師の共通点を洗い出し、運営改善に活かす

「hacomono」には会員さまが、いつ、どのようなレッスンに参加しているのか、利用動向が蓄積されます。このデータを元に、参加人数の少ないレッスンを見つけ、それらを会員さまが参加しやすい時間帯に移動するなど、すべてのレッスンが活気に溢れるような編成を心がけています。

「マナビバ」の場合、午後一番の13時台のレッスンへの参加率が高く、次に11時台、14時台のレッスンと続きます。逆に参加率が低いのが、朝一番の10時台のレッスンと、一番最後の15時台のレッスンです。参加人数が少ない15時台のレッスンを、13時台に移動すると、わずかですが参加者が増えることがあるんです。もともと参加者数が多かった人気のレッスンは、どの時間帯に移動しても変わらず人気なので、うまく工夫しながらスケジュールを調整しています。

ただ、スケジュール変更で増やせる人数には限界があり、講師の影響が大きいです。「hacomono」に蓄積されたデータを活用し、人気レッスンの状況を確認したところ、講師が積極的に会員さまとコミュニケーションをとる点が共通していることがわかりました。これを受けて、参加者数が少ないレッスンの講師にも、意識してより多く会員さまに話しかけてもらうよう伝えています。

5. 店舗をもたない「マナビバライト」を増やし「マナビバ」の認知度向上を目指す

2023年からは、レンタルスタジオを利用した「マナビバライト」をスタートしました。初期投資を最小限に抑え、スピーディに店舗を増やしていけることで「マナビバ」という名前を広めていきたいと考えています。何度チラシを配布しても、数年後になって初めて「ここに店舗があることを初めて知った」という方がいるなど、地道な販促活動ではなかなかリーチできない方がいることを実感したためです。「マナビバライト」の反応がよい地域には、「マナビバ」の出店も検討しています。

ゆくゆくは、自治体などから請け負うかたちで、公民館や地区センターでもレッスンを提供できないかと考えています。先日、市議会議員の方とお話する機会がありました。自治体でも住民の方が中心となって健康促進に向けた体操教室を実施しているのですが、思うように集客できていないようです。「マナビバ」のノウハウを活用することで、地域にいる多くの方に、レッスンを提供できたら嬉しいです。

私がエンジニアから「マナビバ」を運営する株式会社スマイルラボへ転職した理由の1つは、自分が運営しているサービスに対して喜ぶお客さまの顔を直接見たかったからです。さまざまな活動に取り組むことで、もっと多くの笑顔をこれからも見たいと思います。

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