インドアゴルフ(室内ゴルフ練習場)は、コロナ禍の影響もあり、需要が高まっています。需要に比例して、異業種からの参入も増え、店舗数は増加傾向にあります。インドアゴルフの開業を考えるにあたって、店舗の運営形態を直営にするか、フランチャイズにするかで、頭を悩ませる経営者の方も多いのではないでしょうか。経営未経験での開業を検討している場合は、手厚いサポートのあるフランチャイズを選択すると失敗しにくいのでおすすめです。
この記事では、インドアゴルフをフランチャイズで経営する際のメリットやデメリット、フランチャイズに向いている事業業態、経営に成功するためのポイントなどを紹介します。
INDEX
1. インドアゴルフ(室内ゴルフ練習場)のフランチャイズ経営とは?
インドアゴルフ(室内ゴルフ練習場)のフランチャイズ経営は、本部のブランド力による資金調達支援および集客支援や、運営マニュアル、経営ノウハウなどのレクチャーを手厚く受けられることが最大の特徴です。一方で、その対価として、本部に対してロイヤリティの支払いを行う必要があります。
本部は、フランチャイズオーナーを増やすことによる事業拡大ができ、店舗の経営者は資金や経営ノウハウが十分になくても、店舗を開業・経営ができる、といった双方にメリットのある形態です。
2. インドアゴルフをフランチャイズで経営するメリット
フランチャイズで店舗経営する際の4つのメリットについて、解説します。
2-1. 経営をしたことがなくても開業できる
フランチャイズは、経営をしたことがない方でも、ある程度問題なく店舗運営ができような仕組みになっています。本部から、すでに確立された経営ノウハウやマニュアルの共有があるほか、資金調達のサポートや経営へのアドバイスなどをしてもらえるため、安心して運営に着手できます。
2-2. 本部のブランド力を活かした集客が可能
フランチャイズの本部はブランド力があるため、その看板を借りることで、開業したてであってもある程度の集客が見込めます。また、本部が宣伝・販促を行なってくれるため、店舗として個別に宣伝・販促に力を入れなくてもいい点もメリットです。安定した集客が見込めることで、経営も安定しやすくなります。
2-3. 本部からのアドバイスやサポートにより、収益化しやすい
フランチャイズの本部が、経営面のアドバイスやサポートをしてくれるため、大きな赤字を出さずに、比較的安定して経営することができます。利益を上げるメカニズムも伝授してくれるため、個人経営の店舗に比べて収益化も容易です。また、店舗の経営状態をチェックした上で改善点を指摘し、改善施策の相談にも乗ってくれるので、経営について学びながら店舗運営ができます。
2-4. 資金調達がしやすい
加盟店に対して資金面でのサポートを行う本部もあります。広告費用や設備費用の支払いが不要なケースや、資金調達の際に加盟店に必要な支払いを免除するサポートを行うケースもあります。資金負担が少ない状態で店舗を開業できる可能性があるので、加盟するフランチャイズを決める際は、資金面のサポートの有無を調べておくとよいでしょう。
3. インドアゴルフをフランチャイズで経営するデメリット
続いて、インドアゴルフをフランチャイズで経営するデメリットを3つ紹介します。
3-1. 店舗ごとの独自性が出しにくい
フランチャイズは本部から共有された規約やマニュアルを元に経営が行われるため、独自性を出しにくいといったデメリットがあります。
本部のブランドイメージに惹かれて来店するお客さまが多いため、期待から外れた独自のブランディング色を打ち出してしまうと、リピーターが減る可能性があります。また、規約上、経営者が自己判断で対応できる領域が大きく制限されるケースもあるため、注意が必要です。
3-2. 本部とのコミュニケーションが必須
フランチャイズで経営する場合は、本部とのコミュニケーションを定期的に行う必要があります。本部から経営方針の共有やアドバイスがあったり、実際に本部の人間が視察来店をすることも少なくありません。フランチャイズは、個人経営とは違い、本部とのコミュニケーションを円滑に行う必要があります。
3-3. ロイヤルティと加盟金が発生する
加盟店は、本部への加入時に加盟金と特許権や商標権を対象としてロイヤルティを支払わなければなりません。ランニングコストに加えて、売上の中からロイヤルティを支払うため、個人店よりも支出が多くなります。支出に見合うだけの収益を確保できるかどうか、開業前に検討しておくとよいでしょう。
4. インドアゴルフをフランチャイズで経営する際の成功ポイント
フランチャイズでの経営を成功させるために、経営前と経営後において、押さえておくべきポイントをご紹介します。
4-1. インドアゴルフの店舗経営前(開業前)
フランチャイズ経営を成功させるためには、本部の調査が欠かせません。インターネットで情報収集をするだけでなく、実際に加入を検討しているフランチャイズの店舗を訪れ、内装や雰囲気、客層、設置されているマシン、スタッフの接客、経営状況などを自分の目で確かめることが大切です。
特に事前確認すべき要素は、以下の4つです。
・相性の良い本部かどうか判断する
フランチャイズでの店舗経営を成功させるためには、相性の良い本部を選ぶことが必要不可欠です。
店舗経営を手がけるのが初めてで自信がない方は、親身に経営相談に乗ってくれたり、話しやすい本部を中心に選ぶと、相性のよい本部と出会える確率があがります。
利益を上げたい方は、加盟金やロイヤリティの支払いが少ない本部であれば、手元に残るお金が増えるため、相性はよいといえるでしょう。
本部とは二人三脚で店舗経営を進めることになるため、相性は非常に重要です。自身の状況や達成したい目的にあわせて、慎重に検討しましょう。
・フランチャイズ企業を数社比較する
インドアゴルフのフランチャイズを展開する企業は数多くあるため、各企業の特徴やロイヤリティの額、サポート体制などを比較して、「いっしょに経営してみたい」と感じる企業に加入するようにしましょう。「どこまで店舗の独自性を出せるのか」という点も企業によって大きく違うので、必ず複数社を比較した上で、加盟先を決めるようにしてください。
・実際の店舗に出向いて運営状況確認をする
実際の店舗を訪れて、運営状況を確認することをおすすめします。実際の店舗の雰囲気や客層、設置されたマシンなどが確認できるだけでなく、店長と話せる可能性もあり、リアルな意見を聞く絶好のチャンスです。イメージと実際の現場のギャップを埋める機会として活用するとよいでしょう。
・店舗数・閉店数を確認する
フランチャイズ加入前に、現在の店舗数と現在までに閉店した店舗数を確認することで、成功できる可能性があるかどうか、ある程度わかります。各企業の公式サイトはフランチャイズ店の店舗数を公表しており、成功している店舗数を確認できるので、必ずチェックしてください。なかには、閉店数がゼロといった企業もあるため、複数社で比較検討するとよいでしょう。
4-2. インドアゴルフの店舗経営後(開業後)
・本部のノウハウを忠実に実行する
本部は、成果を出すための経営ノウハウを実体験に基づきマニュアル化して各店舗に共有しているため、まずは、マニュアルの内容に沿って経営してみるとよいでしょう。うまくいかない点が出てきた際は、積極的に本部に相談することも大切です。
・お客さまが期待するイメージやサービスに沿った運用をする
店舗を経営するからには、独自色を出したいと考えるのは当然のことですが、フランチャイズの場合は、すでに企業イメージが確立されているため、本部のブランディングに乗っ取った運用をするように心がけてください。お客さまが期待しているイメージやサービスと乖離が出てしまうと、集客効果が下がったり、リピートしてもらえず継続率が下がるなどの悪影響が出る可能性があります。
・人材の育成に力を入れる
店舗でいっしょに働くメンバーに対しても、本部から通達のあった戦略や目標を伝え、目指すべき場所(目的)を一致させる必要があります。また、本部から共有されたマニュアルやノウハウを忠実に実行できるように育成することも重要です。
メンバーそれぞれと適切なコミュニケーションを取りながら、教育や評価をする体制を構築しましょう。
・本部に任せすぎず自身で工夫をする
本部に頼り切りになるのではなく、自分自身でも創意工夫しながら収益を上げていく必要があります。規約の範囲内での対応にはなりますが、競合店舗と比較した際に、自店舗の強みとなる部分に着目し、顧客ニーズに応えられるような独自性が出せないか、試行錯誤するとよいでしょう。自店舗を取り巻く周辺環境の分析や強み・弱みの把握には、SWOT分析のフレームワークを使うことをおすすめします。
5. インドアゴルフをフランチャイズで開業する際の初期費用・収益性
インドアゴルフをフランチャイズで開業する際の開業資金や収益性について、解説します。
5-1. 開業資金
フランチャイズは本部が資金面でサポートしてくれる場合があり、開業資金を持ち合わせていなくても開業できるケースもあります。一般的な6打席程度の店舗の場合は、2,500~3,000万円程度の初期費用が必要です。初期費用の回収は、開業から平均約3年で完了します。
5-2. 収益性
6打席ある店舗の場合、2時間2,000円の料金設定で12,000円の売上になります。1日30名の来店があった場合、60,000円の売上です。
地域や立地によって大きく異なるので、まずは出店を考えている地域の競合店舗の価格設定を調査するとよいでしょう。
5-3. 運営の負担
インドアゴルフは、ゴルフスクールや野外ゴルフ練習場と比べて、運営の負担は軽くなります。受付や打席ごとの清掃やマシンの使い方の説明、会計などが必要になりますが、トラブルがない限り、大きな負担になる業務は発生しません。
6. まとめ
経営経験がない場合は、インドアゴルフの店舗をフランチャイズではじめると、比較的安定して経営できるので、おすすめです。一方で、経営経験があり、ブランディングに力を入れたい場合や独自性の強い店舗にしたい場合は、直営形式で開業するとよいでしょう。
自身のスキルや状況、目的に合わせて、直営かフランチャイズかを選択してください。フランチャイズを選択する場合は、事前に必ず本部の調査を行い、自身との相性はいいか、達成したい目的にあった経営方針か、どこまでの独自性が許されるか、資金面のサポートはあるかなどを確認した上で決断することが、成功への近道だと推察されます。