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予算ゼロからの「部活動地域展開」。アスリート集団が下呂市で証明する、持続可能な地域スポーツの作り方

2025.12.29

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学校教育の大きな転換期となっている「部活動の地域展開」。多くの自治体が「予算の確保」と「運営体制の構築」という二大障壁を前に足踏みする中、岐阜県下呂市では画期的なプロジェクトが進行しています。その中心にいるのが、現役アスリートや元選手たちが集う一般社団法人クラブサポートです。

彼らが下呂市でどのような課題に直面し、いかにして「持ち出しゼロ」の資金調達スキームを構築したのか。その舞台裏と、彼らが描く未来に迫ります。

INDEX

PROFILE

渡辺 周馬 一般社団法人ClubSupport 代表理事、株式会社Growith 代表取締役、プロビーチバレーボール選手

現役選手として競技を続けながら、学生クラブチームや中学生部活動の地域展開を支援する事業を運営しています。

現場の課題に寄り添い、指導者・保護者・地域と連携して、運営設計や仕組みづくりを推進。競技力向上と継続できる環境づくりの両立を目指し、次世代が安心して挑戦できる環境の土台を広げています。

 

山川 遼太 一般社団法人ClubSupport理事、株式会社Growith 取締役、ビーチサッカー選手

現役選手として活動しながら人材会社、外資系金融機関を経て現在に至ります。

部活動、クラブチームに対して現役選手として、また今までの経験で培った営業活動など様々な側面で貢献していけるよう尽力しています。

1.設立の原点:教員の父が漏らした「現場の限界」

—— クラブサポートの活動の根底には、どのような思いがあるのでしょうか。

代表理事自身の原体験が大きく影響しています。教員一家に育った代表は、ある時、教員である父親が「(部活動の運営には)予算が足りない。プロのように企業がスポンサーになってくれたらいいのに」と漏らした一言を聞き、それがすべての始まりとなりました。

—— その一言から、どのように行動を起こされたのですか。

「それは自分たちの手で実現できるのではないか」と考え、アスリートとして培ったスポンサー活動のノウハウを地域スポーツに還元することを決意しました。令和6年度より下呂市と包括連携協定を締結し、現在は2年目のフェーズとして、スポーツのみならず文化部も含めた広範な支援を展開しています。

クラブサポート代表理事

アスリートとしての経験を活かし、地域スポーツの課題解決に挑む

2.課題:地域展開によって「見えなくなる悩み」

—— 地域展開を進める上で、自治体はどのような課題を抱えていますか。

自治体には共通の懸念があります。それは、学校という枠組みから離れることで、これまで拾えていた「現場の声」が行政に届かなくなることです。これまでは先生や学校が運営を担っていたため、保護者や指導者の悩みが可視化されやすい環境にありました。

—— その課題に対し、どのような解決策を提示していますか。

地域展開が進むと自治体側の業務が増大し、細かな課題まで手が回らなくなる恐れがあります。そこで私たちは外部機関という立場を活かし、指導者講習会の運営などを通じて現場の声を直接ヒアリングしています。自治体と現場の架け橋となることで、地域全体のマネジメントを最適化しています。

3.革新的解決策:企業の固定費を「子どもたちの応援」に変換する

—— 「実質負担ゼロ」という資金調達スキームについて教えてください。

全国でも類を見ない「経費削減コンサルティング」を組み合わせた仕組みです。自治体には企業への営業リソースが不足しており、企業側も「応援したいが新たな予算は出せない」というジレンマを抱えています。そこで、企業の電力コスト等の固定費を独自の強力なプランで削減する提案を行います。

—— 具体的には、どのように支援金を生み出すのですか。

例えば、年間1,000万円の経費を700万円に削減し、浮いた300万円の中から100万円を部活動の支援金に充てていただくという流れです。この手法により、企業は「実質負担ゼロ」で地域貢献ができ、子どもたちは持続的な活動資金を得られる循環が生まれています。

4.運営の哲学:アスリートとしての「泥臭い」基礎練習

—— どのようなメンバーが運営を支えているのでしょうか。

ビーチサッカーやビーチバレーの現役選手、さらには体育会系のインターン生などがメンバーとして活動しています。私たちは、スポンサー獲得に「逆転ホームランのような近道はない」と断言しています。

—— 営業活動において大切にしていることはありますか。

1件1件の電話営業から始まり、対話を通じて信頼を築き、紹介を繋いでいくことです。「スポーツの基礎練習と同じように、地道な積み重ねを絶対に怠らない」というアスリートならではの行動力と熱意が、多くの企業の心を動かしています。

オフィスでの活動風景

「逆転ホームランのような近道はない」と語り、地道な信頼構築を続ける

5.未来展望:経済格差で「やりたいこと」を諦めない社会へ

—— 今後のビジョンについて教えてください。

「このままでは、高い月謝を払える家庭の子どもしかスポーツができない、海外のようなシステムになってしまう」という強い危機感を抱いています。私たちが目指すのは、集めた資金を活用し、「子どもたちが自由に選択できる環境」を維持・創造することです。

—— 具体的にはどのような環境づくりを目指しますか。

既存種目の維持だけでなく、eスポーツのような新しい選択肢の創設や、家庭の経済状況に左右されない活動費の補助を行います。競技志向の子も、楽しみたい子も、すべての子どもを切り捨てないバックアップ体制を、自治体や地元企業と手を取り合って実現していきます。

自治体の皆様へ

「やり方はわからないけれど、子どもたちの居場所を残したい」という思いは、自治体の皆様も私たちも同じです。地域展開に関する課題解決や、自治体ごとに寄り添ったサポートをご提案します。ぜひ、私たちと一緒に新しい地域スポーツの形を作っていきましょう。

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