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人の能力発揮をサポートするデジタル活用、「人×デジタル」で取り組む「続けたくなる」店舗運営

2024.07.18

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フィットネス施設の健全な運営には、会員の継続率を高めることが欠かせません。その継続には、健康向上への効果を提供すること以外に、多くのアイテムをもつ総合クラブだからこそ意識すべきポイントがありそうです。「人×デジタル」でより良いサービス提供を目指す株式会社ルネサンスにてDXの推進に取り組む東 武史氏に、ウェルネス/運動施設向けオールインワン・マネジメントシステムを提供する株式会社hacomonoにてマーケテイングを担当し、総合クラブの実状にも詳しい鶴橋 亮が、総合クラブにおけるデジタル活用について話を聞きました。

INDEX

PROFILE

東 武史 株式会社ルネサンス スポーツクラブ事業企画部 次長 DX推進プロジェクトメンバー

2007年、株式会社ルネサンスに入社。店舗にてフィットネストレーナーやスタジオインストラクター、支配人を経て、本社勤務に。現在はスポーツクラブ事業企画部にて、DXの力も活用し、店舗やお客さまの体験をより良く変えるべく、取り組んでいる。

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1. 適切な利用頻度とアイテム選定で店舗の利用を習慣化

鶴橋:御社はお客さまの行動ログから継続につながる要因を分析していると聞きました。継続要因は見つかりましたか?

東:継続しやすい方の“傾向”は見えてきましたが、そのような方がどのような事前期待をもって入会されているのか、また入会後はどのようなサービスに触れているのかなど、いろいろな情報と掛け合わせて具体的な継続要因を見極めようとしているところです。

事前期待は入会アンケートでも聞いていますが、総合クラブにある、すベてのサービスを事前に知って入会される方はほぼいません。“外から見えている一部の情報”だけに期待して入会したら、「こんなサービスもあるんだ」と知って、新しい期待が生まれるという流れが現実だと思うので、入会アンケートに書かれている事前期待がすべてではないんですよね。そこが分析を難しくしています。

鶴橋:仮説でも結構なのですが、お客さまに健康行動を習慣化し、店舗に通うことを継続してもらうにあたってポイントはありますか?

東:継続要因の1つに、プログラムやサウナなど「お気に入りのアイテムを見つけてもらうこと」が重要そうだということはわかってきました。店舗側がお勧めしてもいいのですが、お客さまが体験してみてしっくりきていないのに「お勧めされたから続けている」状態では、いずれ退会されてしまうでしょう。ここはデジタルや人の力をうまく活用しながら「気に入ったか?」までをきちんと確認し、時にはほかのアイテムを提案するところまで実行することが大切です。アイテムがその方のお気に入りのものではなかったり、少し体力レベルに合わなかったときにはそのサービスを次に利用することはなくなり、こういった方はサービスを利用したことがない方よりも退会率が悪くなるということも見えてきました。

鶴橋:しっくりこなかったり、ちょっと嫌な思いや体験をしてしまった場合、別の提案ができるのも、たくさんのアイテムをもつ総合クラブだからこそできることですよね。一般的に初期定着のためには入会から2〜3ヶ月以内のアプローチが重要だと思いますが、そのタイミングはどのように測ればいいでしょうか?

東:お客さまの利用ペースが極端に落ちた時ですね。例えば週1回通い続けてくれる方と、週3回→週1回にペースが落ちた方では、後者の方が退会しやすいです。効果を出すには最低週2回通うことを勧めているフィットネス施設もあると思いますが、無理して通っても続きません。入会2ヶ月以内にお客さまが利用しやすいペースを見つけてもらうことが重要です。

ただ、店舗へ来ることを習慣化してもらうためにも毎週1回は利用いただきたいので、まずは「毎週1回は提供しているサービスを気に入ってもらう」ことも大切になります。

人の能力発揮をサポートするデジタル活用、「人×デジタル」で取り組む「続けたくなる」店舗運営

店舗で指導していたころの東氏

鶴橋:フィットネスビジネスは習慣化ビジネスですから、健康行動を生涯に渡り継続してもらうためにも、どういう体験を提供するかは重要ですよね。利用ペースが下がり、運動へのモチベーションが落ちてきたなというタイミングでは、具体的にどう介入したらいいでしょうか。

東:メールでカウンセリングを提案したりと来館を促すことが大切ですが、これはすでに取り組んでいる企業も多いと思います。重要なのは、実際に久々に来館してくれたお客さまに「お久しぶりですね」とスタッフがお声をかけられるかどうかなんです。さらに「前回はオンラインレッスンに出てくれたんですね」など、その方だからこその声かけができるといいですね。店舗に居場所を感じて、継続につながりやすくなると思います。

利用ペースの変化を把握して退会予備軍の方を見つけたり、その方がどういう方で、どんなサービスを利用されてきたのかなどを把握するにはやはり人だけでは無理ですね。そこはデジタルの力で対応し、来館時にその方に寄り添ったお声がけをする部分はスタッフで対応するというように、人×デジタルで対応していくことが必要だと思います。

鶴橋:お客さまの利用動向データから、退会予備軍の方を見つける仕組みと、人によるタッチポイントでモチベーションを高める仕組みが両立できて、お客さまが「この店舗、運動へのモチベーションが下がってきたタイミングで毎回、なんかいい声かけをしてくるな」と感じてくれるぐらいにできたら理想的かもしれませんね。

2. デジタルでも適切な一言で人間の温かみを実現

鶴橋:御社では、お客さまのお声を拾う仕組みの1つとして「RENAISSANCEColors」(ルネサンスカラーズ)という会員のコミュニティサイトを立ち上げられました。これまでに寄せられた会員さまからのお声で印象的なものはありますか?

あるインストラクターの方が都合により店舗を離れて代行の方に変わった際、店舗側が「担当者が卒業したため」という表現を使ったんです。「卒業」って前向きな意味合いが強いですし、「担当者都合により」と比較して温かみもあるので「なんか嬉しかった」というお声をいただきました。こうしたお声は、よりお客さまに寄り添ったコミュニケーションを取れるよう、責任者研修などに活かしていきたいと思っています。これも、「RENAISSANCEColors」というデジタルプラットフォームを活用した、人×デジタルの取り組みの1つにあたると思います。

鶴橋:そういう人間味のある一言は大事ですね。僕は先日、ある店舗の体験レッスンに参加したのですが、事前に体験フォームに記入した内容から、おそらく「普段は筋トレばかりしている身体の硬い中年男性」という情報が、きちんとスタッフの方に共有されていたんです(笑)。だから「体験フォームに書いたんだけどな」という質問や確認もされず、快適でした。僕もスタジオレッスンを担当している時に「今日初めての方はいますか?」と聞いていましたが、今から思えば、「体験申込書に書いたのに」とか「恥ずかしい」という思いで手を挙げにくい方もいたかもしれないなと反省しました。

あと、先ほどとは別の企業の体験レッスンに参加したら、その後、メールマガジンでセミナーのご案内が届いたので、そちらにも参加したんです。当日、スタッフの方に「メールを見て参加しました」と何気なく伝えたら、その後届いた参加お礼メールに「メールをきっかけに参加してくれてありがとうございます」というような一言が書かれていました。メールマガジンって一方的ですし機械的な内容になりがちですが、このようなメッセージを挟むことで、人間味が加わりますよね。

東:デジタルだからこそ増やせる顧客接点がありますし、そのデジタル接点に人間味を出し、かつヒト接点とのつながりを作ることで、初めてDXと言えると考えています。将来的には、さらに人間味のあるデジタルタッチポイントへ進化させていきつつ、ヒトではできない「顧客ログデータに基づく最適なレコメンド」の精度を高めていきたいと思っています。

鶴橋:フィットネス業界に入る方というのは元々ホスピタリティ精神が高くて、その点においては正直どの企業さまでも差はないと思います。そのホスピタリティ精神を存分に発揮できるようサポートできるのが、デジタルの力と言えるのかもしれません。

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