会員管理・予約システム記事一覧

セミナー記事一覧

今だったら絶対に出店しない1店舗目。2桁店舗を成し遂げたパーソナルジムの出店基準とは?

2024.03.29

| |

株式会社EAGLE BASE代表取締役の沖津 翔太氏は、コロナ禍まっただ中の2021年4月にパーソナルジム「EAGLE BASE」1号店を開業し、「街のすべての人にトレーニングを」をコンセプトに11店舗を運営するまでに成長しました。とても厳しい状況から多店舗展開するまでにはどのような過程があったのでしょうか?成功の理由や多店舗展開するうえでの出店基準などについて詳しくお聞きしました。

INDEX

PROFILE

沖津 翔太 株式会社EAGLEBASE 代表取締役

高校まではサッカー、大学ではアメフト部に所属しつつトレーニングについて学ぶ。大学卒業後は総合型フィットネスクラブのメガロスに10年間勤務し、フリーランスを経て独立。現在は都内を中心にパーソナルジムを11店舗運営。街の全ての人が継続できる本質的トレーニングを身に付けられるよう、質の高いパーソナルトレーニングサービスを提供している。

公式Webサイトはこちら

1. コロナ禍で独立するも仕事ゼロ。アルバイトから一念発起して法人設立へ

——学生時代から独立するまでの経緯を教えてください。

高校まではサッカー部、大学ではアメフト部でトレーニングをしてきました。卒業後はアスリートのトレーニングを行うストレングスコーチを目指していましたが、最終的にメガロスに入社しました。その後、10年ほどでメガロスを退社し、1年間のフリーランスを経験してから今の法人を立ち上げました。

——メガロスを退職したのは2020年4月でした。コロナ禍のまっただ中で大変だったのでは?

フリーのトレーナーとして独立したのですが、コロナ禍のステイホームで、まったく仕事がなくて。フィットネスクラブでアルバイトをしましたが、やはり不本意だったため「こんなことじゃダメだ……。誰かのフィールドでなく自分のフィールドで勝負したい」と一念発起し、2020年年末に法人を立ち上げ、翌年4月に1店舗目を開業しました。

今思えば、コロナ禍で独立してよかったです。同じだけ苦労するんだったら自分の責任下で苦労する方が、成長につながりますから。

今だったら絶対に出店しない1店舗目。2桁店舗を成し遂げたパーソナルジムの出店基準とは?

2. 「雰囲気が気に入った」武蔵小山に1店舗目を出店。今だったら絶対に出店しない物件

——なぜ1店舗目を武蔵小山に出店されたのですか?

学生時代にアメフト部の先輩が武蔵小山に住んでいて泊めてもらった際に、街の雰囲気がすごく気に入ったんです。メガロスの最後の勤務地は浜松だったのですが、退社後に東京に戻って武蔵小山を訪ねてみたところ、以前と比べてすごく発展していて、ここでやるのも良いかなと思いました。正直な話、当時は商圏や住民属性といったことは何も調べていなかったですね。

——今だったら武蔵小山に出店しますか?

今だったら絶対にこの物件には出店しません。空中階だし、駅から遠いし、新築で家賃も安くないし、間取りも三角形で使いにくいので、ジムとしてはあまりいい条件じゃないんです。今だからこそわかりますが、新築物件のメリットって、あまりないと思います。 床・壁・天井からエアコン・トイレなんかも全部作るから内装費が倍くらいかかってしまいます。 ただ、一番思い入れが強い店舗も1号店である武蔵小山店ですね。 4店舗目くらいまでは何もわからないままに勢いで出店していた感じもありますが、それ以降は徐々に出店基準もわかってきました。

今だったら絶対に出店しない1店舗目。2桁店舗を成し遂げたパーソナルジムの出店基準とは?

3. 武蔵小山、大岡山、五反田……。蓄積した経験からわかってきた出店の基準

——大岡山に2店舗目を出したきっかけはなんだったんでしょうか?

小規模事業者持続化補助金(一般型)がきっかけでした。 1店舗目が軌道に乗った頃に申込をしたのですが、申請できる金額枠が少し余っていたので、申請をお願いしていたコンサルティングの方からのアドバイスで、もし新店舗を出店するとしたら購入するだろう機材や販促費も含めていたんです。

そうしたら、補助金として認められる期限の終了直前に大岡山でいい条件のテナントが出たので、補助金を利用して2店舗目を開業しました。当時はこうすればうまく行くという理論や経験値もなかったので、内装も入れませんでしたし、設備も安めのものでそろえたため、出店資金はあまり必要ありませんでした。何もわからないままに出店を決めましたが、今考えると、立地も良かったし、競合も少ないし、結果的にうまく集客できて良かったです。

——そして3店舗目を五反田に、さらに大岡山にももう1店舗作られたんですね。

フリーランス時に自分で集客したお客さまが五反田にいらっしゃり、その方々へのトレーニング指導をするために週2回ほど五反田へ行って、レンタルジムにお金を払ってレッスンをしていたんです。そんなときに五反田の路面店でいい条件の物件が出たので、そこに3店舗目を出すことにしました。少し家賃が高くて、今だったら出さなかったと思います。

4店舗目は、大岡山に家賃が安い物件が空いたのと、2店目の大岡山店が手狭になっていたので、もう2ブース追加するみたいなイメージでしたね。このあたりから出店基準ができてきた感じで、それまでは勢いで出店してきた部分が大きいかもしれません。

——それ以降はどんな出店基準になったんですか?

基本的には視認性の高いところが多いですね。通勤の途中で目にして興味を持ってくれる方が多いので。賃料に関しては、必要な広さや間取りに対して地域の平均かそれ以下であればOKです。高くなるならば付加価値か十分な理由があればという感じですね。ある程度調査して、競合のジムが多すぎると感じた場合と、ここと競争するのは大変だなと感じさせる自力の強いジムがある場合は避けます。あとは実際にテナントを見て、自分がイメージするパーソナルジムの雰囲気に合うかどうか、という点をチェックします。

必ず現地に行きテナントと街並みを見て最後は言語化できない感覚的なものも重視しますね。他には、ある程度成功した4店舗目までのデータをみて決めるようにしています。これまでに成功したエリアの周辺人口や平均年収とを照らし合わせ、それに近いところに出店するようにしています。

4. 計画に縛られすぎず、プロダクトアウトでベストなサービスの提供を

——今後はどのように展開していきたいと考えていますか?

具体的に「100店舗出したい」といった目標はありません。計画にしばられすぎてしまうのも好きではないので、ある程度軸は決めながら、あとは流れに任せるという感じです。今の「EAGLE BASE」と違う、女性専門の店舗やトレーナースクールといった新業態を手がけてみたいとは思っています。他には、もっとスポーツに関わっていきたいですね。スポーツチームのスポンサーとして、もっと子どもたちがスポーツを楽しめる環境を増やしたり、アスリート向けのパーソナルジムを出店してみたいと思っています。フィットネスクラブやパーソナルジムを色々みてきたなかで、「こうすればいいのに……」と感じてきたことを、少しずつ実行していきたいですね。

——どのような部分について「こうすればいいのに」と感じていますか?

よくマーケティングで「企業発信で製品・サービスを開発するプロダクトアウトは企業の自己満足のためよくない、顧客や市場の要望をもとに製品やサービスを開発するマーケットインであるべきだ」と言われます。でも、パーソナルジムやフィットネスクラブには、必ずしもそれはあてはまらないと思うんです。なぜなら、パーソナルジムは「トレーナー」や「スタッフ」の存在が商品であり、サービスですから。 この場合、サービスを提供する側のモチベーションが最も大事だと思います。彼ら彼女たちがモチベーションを高め、よりよいパーソナルトレーニングを提供していくためには、彼ら彼女たちがやりたいことをできることが重要です。自らがベストと考えるサービスは必然的に質も高くなると思いますから、お客さまにとっても、良いサービスを受けられて幸せになれると思います。

例えば、今ピラティスがトレンドでマーケットから求められているからといって、全てのトレーナーに専門外のピラティスのレッスンをさせようとしても、トレーナーが真剣に取り組む気になるでしょうか? ならないですよね。ですから、フィットネス業界においては、レッスンを提供する側が「もっとも効果的だ」と考えられるようなサービスをプロダクトアウトで提供してもいいと思っています。

——それぞれのトレーナーが有するスキルにもとづいて、ベストなサービスをプロダクトアウトで提供していくのが、お客さまにとってもベストということですね。そうして、もっと人を魅力的にしていくことこそがフィットネスサービスの本質かもしれませんね。本日はありがとうございました。

データ活用で集客・入会率向上を実現するhacomono

具体的な機能、価格など詳しい情報をご案内します

詳細はこちら

Suggest関連記事

Ranking人気記事ランキング

View More
メルマガ登録

人気コンテンツ、最新記事の情報をお届けいたします。

Suggest関連記事

メルマガ登録

人気コンテンツ、最新記事の情報をお届けいたします。

コピーしました