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「チラシ集客」と「Web集客」の両立による「集客施策の効果最大化」

2023.07.03

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「チラシ集客」と「Web集客」の両立による「集客施策の効果最大化」

集客(プロモーション)のメイン媒体がチラシからWebに移ってきていますが、チラシによる集客効果や認知向上効果は依然高く、外せない媒体のひとつです。

株式会社hacomonoは「チラシ集客を科学する 事例と最新動向」と題したオンラインセミナーを2023年1月に開催しました。ラクスル株式会社(以下、ラクスル)山根 悠暉氏と株式会社hacomono 吉田 宗介が、チラシを活用した集客効果の最大化について、具体的な事例を交えながら解説します。

INDEX

PROFILE

山根 悠暉 ラクスル株式会社 エンタープライズ事業部

ラクスル入社後、カスタマーサポート・カスタマーサクセスなど一貫してお客さま対応の最前線で従事しつつ、事業開発としてサービス開発も担当。現在は、オフライン集客の効果の可視化・最適な予算アロケーションなどの販促のコンサルティングに従事。特に、店舗を持つビジネスのお客さまに、集客効果向上に向けたエリア集客の戦略・企画・デザイン制作・効果検証などを一貫してサポートしている。

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吉田 宗介 株式会社hacomono カスタマーサクセス グロースチーム

大手総合フィットネスクラブで20年間勤務し、インストラクターとしてお客さまへの指導のほか、店舗の支配人やエリア担当などを経験。その知見をもとに、2022年よりhacomonoのグロースチームにて、導入企業さまへhacomonoに蓄積されたデータをもとに、改善点の発見など、よりよい運営に向けたサポートに取り組んでいる。

公式Webサイトはこちら

※所属や役職、記載内容はセミナー開催当時のものです。

1. 集客効果を最大化できる媒体を選ぶための「ターゲット設定」

集客施策を行ううえで大事なことは、ターゲットを明確にすることです。そのうえで、施設周辺の地域性を加味し、集客媒体として何が適切か検討・判断します。チラシの配布を行うと決めたあとは、紙面のデザインや配布エリア、配布部数を決め、実行します。実施後は必ず効果測定を行いましょう。効果測定で得られた知見を次の集客施策に活かすことが、集客効果を高めることにつながります。

ターゲットは、「年齢×性別の属性」もしくは「認知状態」のどちらかの軸で分類するとよいでしょう。どの軸で見るのが適切かは、それぞれの特性を理解したうえで施設の状況と照らし合わせて決めるようにしてください。

1-1. 「年齢×性別の属性」の軸でターゲットを分類する際のポイント

まずは、自社の施設がどの属性に需要があるのかを把握しましょう。集客効果を最大化するためには、需要のある層に訴求することが大切です。hacomono導入企業のデータから、業態ごとに会員の属性が異なることが判明しています。詳細は、下図の通りです。

業態属性
総合フィットネス50代を中心に40~60代が最も多い。
男性より女性が多い。
24時間ジム20代男性が突出して多く、次いで30代男性も多い。
20〜30代の女性もいるが、男性に比べ少数。
パーソナルトレーニングジム20〜40代の女性が最も多い。
インドアゴルフ練習場30〜50代男性が最も多い。
全体的に男性が多く、女性は少ない。
ヨガ・ピラティススタジオ20〜50代、特に40代の女性が多い。
男性はほとんどいない。
ダンススタジオ20代を中心に、10〜30代の女性が多い。

上記は、hacomonoが取得しているデータの平均値になります。

業態が同じであっても、施設の立地や提供しているサービス内容によって会員の属性は異なります。集客施策のターゲットを定めるためには、統計的なデータを見るだけでなく、現在通ってくれている会員への理解を深めることが必要不可欠です。

1-2. 「認知状態」の軸でターゲットを分類する際のポイント

下図のように、認知状態は、「未認知」「認知・興味」「比較・検討」「申込」と、段階によって分けられます。どの段階の層を集客したいかによって、集客施策は異なります。

「チラシ集客」と「Web集客」の両立による「集客施策の効果最大化」

チラシでの集客のメインターゲットの1つは、一番上の未認知の層です。チラシによって施設を知るきっかけをつくることで、Web検索からのホームページへの流入という動きへと導くことができます。「Webで指名検索(検索エンジンに、施設名やサービス名などを直接入力して検索すること)を促すための足がかりのツール」としても、チラシや店頭POP、看板などのオフラインの販促物は有効です。集客したい層が上図のどの段階にいるのかを考慮に入れて、集客施策を考案するとよいでしょう。

2. チラシ集客とWeb集客の比較

ここから、チラシ集客の考え方・効果分析・効果の最大化について、ラクスル株式会社の山根悠暉氏が解説します。

チラシを活用した集客の一番の特徴は「あるエリアの未認知層へ、企業からダイレクトに情報を伝達できること」です。一方で、Web集客のひとつであるWeb広告は、「自らWeb検索などを行い比較・検討している層へ、効率的に情報伝達すること」ができます。

2-1. チラシ集客を行うメリット

チラシでの集客とWeb広告を比べた際に、チラシでの集客のメリットは3点あります。実際にラクスル提供のサービスを利用し、集客に成功した企業からの声もあわせて紹介します。

①Web広告ではリーチできない「未認知」層への認知拡大ができる

企業からの声「比較・検討の層に対してはWeb広告で集客できていましたが、未認知の層はボリュームが大きく、十分に集客できているとはいえない状況でした。チラシを活用することで、エリア内の未認知の層を集客することができました」

②Web広告よりも、エリアによってはCPA(顧客獲得単価)が安くなる

企業からの声「Web広告の一種であるリスティング広告は、現在競争が激化しているため、CPAが高くなりがちです。チラシでの集客を試したところ、配布するエリアによってはCPAが下がりました」

③Web広告でリーチできない年齢層の集客ができる

「チラシで獲得できるお客さまは40代以上が多く、Web広告で獲得できるお客さまとは明確に年齢層が異なります。チラシを活用することで、Web広告ではリーチできない層の集客ができました」

昨今の傾向として、効果の可視化が難しいチラシの予算を減らし、Web広告の方に予算をかける企業も多いかもしれません。しかし、Web広告、特にリスティング広告は、競合が激化していることから、集客したい層に届けるためには出稿量を増やす必要があります。どうしてもCPAが高くなってしまう状況が続いています。

Web広告の費用を抑える手法としては、ユーザーに固有名詞での指名検索をしてもらう方法がありますが、そのためには、ある程度の認知を獲得している必要があります。まずチラシで施設の存在を知ってもらい、次のアクションとしてWebで指名検索を促し、オンライン上で比較・検討のうえ、見学や体験の申し込みをしてもらえるように導線を整備すると効果的です。

実際に、ラクスルが提供するサービスを利用している企業でも、Web広告に回すために減らしていたチラシの予算を元に戻したところ、逆にWeb集客の効率が高まった例があります。集客施策の効果を最大化するためには「オフラインとオンラインの両立」が必要だと推察されます。

2-2. チラシ集客の効果検証方法

先ほど「Web集客と比べて、チラシでの集客は効果が計測しにくいと考えられている」と説明しましたが、指標を定めることで、効果を検証することが可能です。指標となり得るのは、「アンケート回答」「チラシ配布期間における入会申込数」「チラシ掲載のQR読み込み数・LPアクセス数」の3つです。それぞれにメリット・デメリットがありますが、おすすめは「チラシ掲載のQR読み込み数・LPアクセス数」です。

・アンケート回答

多くのフィットネスクラブが、入会時のアンケートで施設を認知するきっかけになった媒体を尋ねており、その結果によって、集客施策の効果を判断しているのではないでしょうか。手軽にヒアリングできる一方で、来店までにさまざまな媒体に接触しているケースが多いため、お客さま自身もすべての接点を記憶していないことが多々あります。

最初の認知は「チラシ」であるにもかかわらず認知媒体を「Web」と答えることが多く、チラシの効果として評価されない現象が起きていることがわかります。こういったことがままあるため、アンケートの回答よりも、より客観的に計測できる別の指標を定めることをおすすめします。

・チラシ配布期間における入会申込数

入会者数は、業績に直結する重要指標といえるでしょう。3つの指標の中で一番簡単に算出できますが、その入会が必ずしもチラシによる効果だったと断言することはできません。また、チラシを数万枚配布して入会が数件だけといったケースも、チラシの効果の是非を判断しづらいというデメリットがあります。

・チラシ掲載のQR読み込み数・LPアクセス数

チラシがどの程度読まれているかがわかるため、効果を測定しやすく、一番PDCAを回しやすい指標です。あくまで過去の経験則からの目安とはなりますが、0.0数%(例: 0.09%)もしくはそれ以下の桁感だとまだまだチラシの改善余地があることが多いです。QR読み込み率が低い場合は、3.で紹介する「チラシ集客の効果を最大化するためのポイント」を参考に、効果改善の施策を打つことをおすすめしています。

加えて、チラシ専用のLPをつくるとより効果計測がしやすくなりますが、LPを作成するコストがかかるため、要注意です。QRに変数をつけておくと、LPをつくらなくても計測できます。ただし、未認知層から認知層に移行したかどうかの効果測定をするのには有効ですが、これは入会に直結するものではありません。QR読み込み数からの体験予約率、入会率などもあわせて計測することが大切です。

3. チラシ集客の効果を最大化するためのポイント

ここまで、チラシでの集客の特徴や効果について解説しましたが、ここからは、集客効果を最大化するためのポイントについて説明します。押さえるべきポイントは、「配布エリア」「媒体」「コンテンツ」「ビジュアル」の4つです。

・「配布エリア」

ターゲットとなる年齢層が多く存在するエリアに配布すると効果的です。実際にチラシを配布し、その効果を独自データとして蓄積して、今後の配布エリアの選定に活用していくと高い効果が得られやすくなります。

Webで、エリア別の年齢層データを閲覧することができますが、誰でもアクセスできる情報のため優位性は少なく、あくまでも仮説を立てるための情報として利用するとよいでしょう。

・「媒体」

一口に「チラシでの集客」といっても、新聞折込やポスティング、DH(ダイレクトハンティングの頭文字を取ったもので、街頭で通行人に販促物を配布すること)など、複数の媒体があります。

新聞購読の継続率は年々落ちていますが、50代以上はまだ高く、ターゲットがこの層であれば、集客できる可能性は高いといえます。また、施設周辺の人口動態を把握することで、新聞購読層が居住しているかどうかがわかります。

ポスティングは、新聞折込と比べて若年層も集客できることが特徴です。また、配布エリアも細分化できます。

DHは、新聞折込やポスティングと違い、単体で渡せるため見てもらいやすいことがメリットです。一方で、チラシを配布する人員のコストがかかるため、オープン時やキャンペーン時など、タイミングを絞って活用するとよいでしょう。

・「コンテンツ」と「ビジュアル」

チラシに記載するコンテンツは、見た人にどのようなアクションをしてほしいのかを考慮して決める必要があります。

チラシを見た後のアクションとして、「体験申し込み」なのか「入会」なのか、また、そこへ至る経路は「Web経由」にしたいのか「電話経由」にしたいのか、ターゲットが次にどんな行動を起こしたらいいのかを連想しやすい導線にしておくとよいでしょう。キャンペーンの場合は、具体的に何をすればその特典を得ることができるのか、明記しておく必要があります。

QRを載せる場合は、読み込んでもらうための工夫が必要になります。

「QRを読み込むことで、どのような情報が得られるのか」「読み込んで得られた情報を知ることで、どんなメリットがあるのか」の2点を明記することが重要です。

例を挙げると、「プランの詳細はこちら」と書くなど、QRを読み込む理由が明確に記されているほうが読み込まれやすくなります。QRの大きさや場所よりも「読み込むメリットを提示できているかどうか」が重要なのです。

4. 集客施策の効果を最大化するためのデータ分析

前述の通り、集客効果を高めるためには、集客施策を実行したあとの効果検証が重要です。とはいえ、現場のスタッフが都度データを集め、検証するとなると多くの労力と時間がかかります。

そこで、会員データの収集から分析まで手軽に活用できる会員管理システム「hacomono」について、株式会社hacomono カスタマーサクセス グロースチームの吉田 宗介が解説します。

「hacomono」のシステムには、効果検証できる機能が複数あります。

チラシやWeb広告などの集客施策によって見学や体験申し込みにつながったとしても、入会や継続利用につながらなくては意味がありません。システムに蓄積したデータから、見学や体験申し込みからの入会率や入会後の継続率を知ることができます。それらのデータを活用して、集客施策で獲得したお客さまのフォロー体制を構築・改善することで、入会率や継続率の向上につなげることができるでしょう。

・アンケート機能

アンケートの設問内容や回答期限など、細部まで設定したうえでアンケートを作成できます。

見学や体験の予約時、入会時などのタイミングでアンケートに回答してもらうことで、お客さまのニーズを理解して適切なフォローにつなげたり、新しいトレーニングメニューの開発や新しいコースの設立などの継続率向上のための施策に活用できます。

「hacomono」は、アンケートの集計結果を自動でグラフ化することができるため、視覚的にわかりやすいことが特徴です。また、CSVでエクスポートして加工もできるので、分析もしやすく、さまざまな施策に活用できます。

・メンバータイプ設定

管理画面において、店舗スタッフが会員のメンバータイプを設定できます。

入会経路や施設の利用状況を一目で把握することが可能です。入会経路別の会員の施設利用率や継続率の違いがわかるため、会員を継続しやすいと推察される層に向けて、より効率的な集客施策を考えることができます。

・ウィジェット機能(ホーム画面上に常に機能のショートカットを置くことができる機能)

各施設のホームページに見学や体験予約のウィジェットを設置することで、お客さまに手軽に見学や体験の予約をしてもらえる機能です。

申し込みの導線がわかりやすくなるため、見学や体験予約の申し込み率の向上につながります。

5. 最後に

以前に比べて、Web広告の重要性が高まってきていますが、ターゲット層や地域によってはチラシのほうが効果的なケースもあります。また、前述の通り、チラシとWeb広告の両方を活用することで相乗効果が期待できるため、どちらか片方だけに注力するのではなく、認知拡大の効果を加味して両立することが集客効果を最大化するためには重要です。チラシ、Webの媒体を問わず、①ターゲットを明確にする、②お客さま理解を深める、③効果検証を行う、③検証結果をもとに次の施策を考える、の4つのポイントを念頭に、集客施策の立案をしていただけると幸いです。

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