ヨガ教室は新規開業が増えており、競争が激化してきていることから、集客に力を入れるために広告戦略を練り直しているヨガ教室が多い傾向にあります。ライバルが増え続けている昨今、新規顧客を獲得するためには、集客につながるポイントと集客効果を最大化できる広告戦略を踏まえた立ち回りが必須です。
INDEX
1. ヨガ教室の集客で大事なことは?
インストラクターとしてヨガ教室の開業を考えている際、重要なのが集客です。コロナ禍の影響で運動不足の人が増えているため、ヨガの需要も増えていますが、比例してヨガ教室の開業も増えているため、競争が激しくなっています。
では、どうやって集客をしていくかというと、的確にポイントを押さえた戦略が必須になります。「集客の方法がよくわからない」「どうすれば集客効果を最大化できるのかわからない」といったお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
1-1. ターゲットを明確に設定する
ターゲットがあいまいな状態での集客はうまくいきません。まずはターゲット層の具体的な設定から始めると、目的や手段が定まりやすくなります。なぜ具体的に決めていく必要があるかというと、年齢層や性別によって集客方法が異なるためです。
開業する地域の競合教室の出店状況や住人の年齢層、駅からのアクセスのよさなどをリサーチし、ターゲット層を決めます。ライバル教室の視察もおすすめです。
1-2. 競合教室との差別化を図る
ライバル教室がひしめく中で生き残るために、差別化を図りましょう。持っている資格の情報はあまり重要ではなく、お客さまにとっては、「通うことで自身にどのようなメリットがあるのか」に関心があります。「冷え性とむくみの改善に!女性のためのホットヨガ」「シニア向けの体力作りヨガ」など、メリットを明確にしつつ、競合教室との差別化を意識したキャッチコピーを考えてみましょう。
1-3. レッスンの内容を細かく設定する
ヨガ教室のレッスンはひとつだけにしぼる必要はなく、さまざまなタイムスケジュールを組むことができます。レッスン内容を細かく設定し、集客したいターゲット層にあわせていくのがおすすめです。料金プランだけでなく、生徒の特性も考慮してください。たとえば、主婦や高齢者をターゲットにしたレッスンは日中に組む、夜は日中仕事をしている方をターゲットにしたレッスンを組むなど、生徒のスケジュールをある程度予測して設定していくと、レッスンスケジュールが立てやすくなります。
1-4. 集客戦略を立てる
集客においても戦略は必要不可欠です。戦略の立て方はさまざまですが、明確にすべきポイントがあります。
- いつまでに、どのくらいまで生徒数を増やしたいのか
- 集客のために必要なアクションは何か
上記2点について具体的な行動目標を立て、次に集客に必要とされる以下3つのアクションを頭に置きつつ、行動していきます。
- ヨガ教室を知ってもらい、新規入会者を獲得していく
- 既存生徒のリピート率をあげていく
- 潜在的な生徒を獲得していく
2. ヨガ教室におけるWeb広告出稿のアプローチ方法
購買サイクル(ユーザーがサービスや商品に興味を持ち、実際に注文してから支払うまでに実行するプロセスのこと)は、「認知」「興味」「検討」「購入」「継続」「応援」とされていますが、広告で「認知」「興味」を集めることが重要です。集客の方法はさまざまなものが考えられますが、インターネットが普及している現代社会において有効なWebでの集客と、地域に密着したオフラインでの集客について解説します。
2-1. Webを活用した集客
多くの人がネットにつながる端末を持っており、情報収集の際に利用しています。そのため、紙や看板などのオフラインの販促物と比べて、より多くの人に自教室の情報を届けることができます。伝えたいことを、しっかりユーザーの目にとまる形で発信できるように、戦略を立てていきましょう。具体的には、以下の方法が有効です。
・SNSの活用(Instagram、YouTube、Twitter)
手軽かつ無料(場合によっては有料)で発信できるSNSは、集客において、広告と同じ効果が得られる優れた情報拡散ツールです。アカウントの作成は無料で、最初はフォロワーを集めるのに苦戦するかもしれませんが、長期的に運用し、育てていく(フォロワーを増やしていく)と、高い集客効果が期待できます。
フォロワーを増やすためには、有益で興味を引く情報を細かく発信する、またはSNS内の有料広告に出稿するといいでしょう。YouTubeで専門知識をもとにしたアドバイスや、自宅でできる簡単なエクササイズを発信していくのもおすすめです。時間をかけて育てるとやがて大きな資産になりますので、こつこつと育成していきましょう。
・ホームページの作成
教室の情報を十分に記載できるツールとして有用なのがホームページです。レッスンやプログラム、レッスンスケジュール、料金プランだけではなく、各SNSへのリンクや問い合わせ窓口、予約システムなども組み込めます。
アクセスしてもらうためには、まず検索エンジンの検索結果画面に自教室のホームページの情報を出やすくする工夫が必要です。SEO対策(検索エンジンの上位に表示するための技術)を実施し、検索上位に表示されるように、対策をしていきましょう。SEO対策の効果を最大化するためには専門知識が必要なので、外部のコンサル企業に依頼するのも手です。
・ブログの運用
ブログはSNSよりも情報量を増やした発信ができます。無料で作成が可能で記載できる文字数も多く、強調文字や文字色の変更も可能で、写真を入れたりレイアウトを調整することで魅せる記事が作れます。
ホームページと同じく、アクセスしてもらうためのSEO対策は必要です。ランキングシステムがあるブログサービスの場合は、ランキングの上位に食い込む努力をしていくと、アクセスを着実に増やしていけるでしょう。
・GoogleマイビジネスやYahoo!プレイスの活用
無料で教室の公式情報を入力できるツールです。登録しておくと、教室情報がマップ上に掲載され、地域とサービスを検索したユーザーの端末上に表示されます。店名と位置情報だけではなく、経路や電話番号も表示されるため、教室への誘導がスムーズになるメリットもあります。ヨガ教室を開業する際は、まずはGoogleマイビジネスとYahoo!プレイスへ入力しておくのがおすすめです。
・Web広告の活用
興味がある人のもとに的確に情報を届けられる方法です。ヨガ教室に興味がある人が検索した際に、案内したいページを表示させることができるため、成果に直結しやすいというメリットがあります。
検索結果に連動し、テキスト形式で表示されるリスティング広告や、画像や動画を表示するディスプレイ広告など、いくつか種類があります。種類によっては費用が高くなってしまうケースもありますが、集客効果が高いので、ぜひ検討してみてください。
2-2. オフラインでの集客
実際に教室に足を運んでもらう必要があるヨガ教室は、チラシや看板などの地域に密着したオフラインの広告でも高い効果が見込めます。
・チラシの配布
チラシは、地方やインターネットに苦手意識のある世代に特に有効です。チラシを見て検討してくれるケースが多いので、地方で開業する場合やターゲット層を高齢者にしている場合は、積極的に使っていきたい手法です。
チラシにQRコードを記載しておくと、若い層もアクセスしやすくなります。ポスティングや公共施設への設置、ターゲット層が通っていると推察される飲食店や美容室への設置など、さまざまな配布方法が考えられます。
・ポスター・看板広告の活用
ポスターや看板は、通行人に対して自教室の存在を告知できます。まだヨガ教室について積極的に情報を集めていない、潜在的な生徒にアプローチできる可能性もあります。従来の紙を用いたポスターだけではなく、視認性が高く、動画も流せるデジタルサイネージの活用もおすすめです。
オフラインの広告は生活圏内で目につきやすいという特性があるため、まだ強い興味を持っていない潜在層の関心に働きかける効果が期待できます。
・体験会の開催
体験会はヨガ教室の雰囲気を知ってもらい、通った場合のイメージを明確にしたり、教室の特徴を知ってもらえる絶好のチャンスです。指導の丁寧さや教室内の清潔感、アフターフォローの充実など、強みとなる部分をしっかりアピールしましょう。
・紹介制度を設ける
既存生徒に、家族や友人、知り合いを紹介してもらえる紹介制度は、潜在層の獲得につながります。生徒側は見知った人が一緒であれば通うモチベーションが高まりますし、教室側は生徒数を増やせますので、紹介制度はぜひ活用していきたいところです。
レッスン料の割引など、紹介したに側もされた側にもメリットになる仕組みを作るのがおすすめです。
3. 集客したい期間によって集客方法を選択する
集客する際は、集客したい期間(スパン)を考えておくと費用の節約や効果の最大化が見込めます。
3-1. 短期間の集客
短期間で多くの新規入会者を獲得したい場合は、有料広告がおすすめです。特に、期間限定のイベントであることを強調した有料広告は、短期集中でアクセス数を伸ばせる可能性があります。ディスプレイ広告が適しているといえます。
3-2. 長期間の集客
長期的に集客したい場合は、堅実に運用できるオウンドメディアやSNSを利用しましょう。読者やフォロワーを増やす必要があるため、すぐに効果は出ませんが、運用し続けることで効果を発揮します。オウンドメディアもSNSも、無料で情報発信をしつづけられるのが強みです。動画サイトに投稿する、ホームページやブログを作るなども、長期的な集客に向いている方法です。
4. ヨガ教室の集客を成功させるポイント
ヨガ教室の集客は年々難しくなってきていると言われており、新規開業はもちろんのこと、長く運営しているヨガ教室も、最近になって集客が伸び悩んでいるというケースもあります。押さえるべきポイントを理解し、対策できるようにしておきましょう。
4-1. 料金プランを幅広く設定する
競合教室との差別化を図るために、独自の特色を持ちつつも、幅広く対応できる料金プランを設けておくとよいでしょう。生徒によって通える頻度も違えば、教室に通う時間も異なります。頻度によって料金体系を変えたり、通う時間によってお得なプランを設定したりと、顧客満足度をあげる工夫をしていきましょう。
4-2. オリジナリティのあるレッスン内容を打ち出す
オリジナリティのあるレッスンは生徒の目をひきますので、ぜひ打ち出しておきたいところです。他の教室では受けられない独自のレッスンがあると、教室を移動したりせず、それを目的に教室に通い続けてくれます。ヨガ教室の市場が拡大している今、オリジナリティによる差別化は必要不可欠です。レッスン以外にも、他とは違うサービスを設けるのもおすすめです。
4-3. 体験会の特典を設ける
体験会は、新規入会者を獲得する大きなチャンスです。体験会参加者だけの特別な特典を用意しておくと、ヨガに関心がある人に興味を持ってもらいやすくなります。たとえば、体験会後に入会することで、「レッスンが一回無料になる」「ヨガマットがもらえる」「入会金が無料になる」などといった特典が考えられます。
ヨガ教室にとってはその場で生徒の獲得ができ、生徒にとってはお得に入会ができるため満足度が高くなります。特典はひとつだけではなく、複数設けるとより効果が高まります。
4-4. Webでの集客ではSEO対策・MEO対策をする
Webでの集客において重要なのは、アクセス数を稼ぐことです。ホームページやブログなどを見てもらうために、SEO対策とMEO対策(Google Mapの中に自分の教室を表示させる対策)をしましょう。SEO対策は、効果を最大化するためには専門知識が必要ですが、MEO対策は非常に簡単で、ただ登録するだけで表示される上に、無料で利用できます。
4-5. チラシの配布はターゲットエリアを絞る
チラシの配布にはコツがあり、ターゲットエリアを絞っておくことが重要です。教室に毎日通ってくれる人を集客したい場合は、教室から徒歩10分圏内を目安に実施します。週に1度程度通ってもらいたい場合は、徒歩20分圏内を目安に配布するとよいでしょう。
配布していくうちに人口総数、世帯数、年齢別男女比率などのエリアマーケティング分析に活かせる情報の収集が見込めます。データを活用してさらに精度をあげていくことも可能です。
4-6. 集客アプローチ結果の分析と改善を繰り返す
集客アプローチには、PDCAサイクルという概念があります。PDCAとは以下の頭文字を組み合わせた言葉で、仮説と検証を繰り返し、品質を高めていくためのプロセスです。
- Plan(計画)
- Do(実行)
- Check(測定・評価)
- Action(対策・改善)
集客に伸び悩んでいる状態でも、PDCAサイクルを回して得られた結果は無駄ではなく、情報をもとに、さらに分析と改善をすることで、効果を高めることができます。
効果検証に取り組んでも、すぐに効果の出る集客方法を見つけ出すことは難しいので、「有料広告を出してみる」「レッスン内容を見直す」「ターゲット層を変更する」「チラシの配布エリアを変更する」などをしながら、地道に改善をしていく必要があります。
5. まとめ
ヨガ教室への関心が高まる昨今、失敗しない集客のコツは「関心のある層へと情報を届けること」です。オフライン・オンラインの両方の特性を活かした広告戦略や集客のポイントを押さえた施策を実行し、日々効果検証しながら改善していきましょう。