「健康になる方法を伝える施設を作りたい」という思いで創業し、熊本県と福岡県で4店舗を展開する「BodyLab.」。一般のお客さまへのパーソナルトレーニングやピラティスの指導に加え、トレーナーやピラティスの国際資格が取得できるアカデミー事業も展開しています。今回は、代表の行村 知穂子氏に、事業や店舗運営における考え方や方針などについて、お話をうかがいました。
INDEX
PROFILE
行村 知穂子 BodyLab.代表
19歳からダンスのインストラクターとして活動。その中で体のメンテナンスの必要性に気づ き、2012年にピラティス資格を取得し、ピラティスマスタートレーナーとして活動を開始。現在はBodyLab.の代表として、熊本唯一のマスタートレーナーとして、心身ともに健康なトレーナーの育成に注力している。
1. 一過性のブームではなく、本当に健康になれる施設を・・・。
そんな思いで創業した“健康づくりの研究所”「BodyLab.」
—— Body Lab.は熊本と福岡で4店舗を経営されていらっしゃいますね。どういう想いで事業をスタートされたのでしょうか?
「健康になりたい」という方は多いのに、本当の「健康」を伝えられる人がいない世の中を変えたいという思いから、健康になれる施設を作ろうと、2014年に夫とともにBodyLab.を立ち上げました。健康づくりの研究所として、パーソナルトレーニングやピラティスを指導するとともに、パーソナルトレーナーやピラティスの国際資格を取得できるアカデミー事業も展開しています。私も夫も国際資格を取得しており、夫はヘッドトレーナーとして現場を回してくれています。私はピラティスのマスタートレーナーとして養成やレッスンも行いつつ、代表として経営面も担当しています。

—— 行村様はパーソナルトレーナーの資格とピラティスのマスタートレーナーの資格もお持ちなんですね。もともとピラティスにご興味をお持ちで、資格をお持ちだったのでしょうか?
ピラティスの資格は、BodyLab.立ち上げ前の2012年に取得しています。元々ダンスのインストラクターとして活動していたんです。その中で体のメンテナンスや体幹を鍛える重要性を感じ、競技力アップと柔軟性向上のためにピラティスに興味を持ちました。BodyLab.ではブームとなる前に「ピラティス&パーソナルトレーニング」という組み合わせをいち早く打ち出しています。ピラティスを流行としてとらえるのではなく、会員さまの健康づくりに結びつく運動として提供しています。
—— BodyLab.の開業後に、今のピラティスブームが来たのですね。
第3次ピラティスブームですね。今のブームは韓国の影響が大きく、K-POPアイドルや女優の影響で広まってきました。細いだけでなく、しなやかでカーブのある体づくりをしたいという現代の若い女性の要望とマッチしたのだと思います。ただ、元々ピラティスはリハビリから生まれたものなので、高齢の方でもできるものなんです。BodyLab.には、一過性のブームやダイエット目当てというよりも、ボディメイクや健康維持を目的としてピラティスを続けている会員さまが多いですね。年齢層も80代、90代の方までいらっしゃいます。
2. 年齢層が幅広くコミュニティの関係値が深い、地方ならではの“会員さまファースト”マインド
—— 熊本と福岡で事業を行われていますが、BodyLab.の会員さまの特徴はありますか?
年齢層が幅広く、家族会員が多いという特徴があります。全体の3〜4割が家族の紹介で入会された会員さまです。3世代で通われている会員さまもいらっしゃいますね。この会員構成の特徴に合わせた取り組みとして、入会金は家族単位としています。ご家族の誰かお一人が5,500円の入会金をお支払いいただいていれば、他のご家族が入会された場合の入会金はいただいていません。また、シェアチケット制度を導入し、購入したチケットを家族や友人と共有できるようにしています。このシェアチケットを利用して家族や友人とセミパーソナルを受けるという方も増えてきました。
—— 会員さまの継続率をあげるために行われている取り組みなどはありますか?
チケット制のため退会というシステムはありませんが、会員さまに継続して通っていただくため、一人ひとりの会員さまにしっかり寄り添うことをすべてのトレーナーに徹底しています。対話を重視し、お悩みなどをしっかりお聞きしています。次回のセッションでは、そのお悩みに合わせたメニューを用意しています。セッション中に臨機応変にメニューを変えることもありますが、その変更点やセッション中の会話の内容などもカルテで共有してもらっています。
—— 会員さまの会話内容などからお悩みを察して、次回のメニューづくりに生かしているのですね。
その方の人生、ライフステージに向き合い、その時点のお悩みに合わせたメニューづくりをしています。妊娠されたらその状況に合わせたメニュー、出産後は新たなお悩みや目標に合わせたメニューという形で、常に会員さまのその時点のお悩みに対応するという形でアップデートを続けています。
—— 一人ひとりの会員さまの人生に寄り添うのですね。
会員さまとの信頼関係の醸成を何よりも重視しています。また、その会員さまご自身だけでなく、その背後にいらっしゃるご家族や親戚の方のことも考えています。会員さまとの対話を積み重ねているうちに、配偶者やお子さんも会員になっていただいたり、親戚の方に勧めていただいたりすることも多いですから。地方ならではのコミュニティの深さがあるので、一人の会員さまと信頼関係を作ることが紹介を呼び、新たな集客にもつながっています。
—— そういった紹介でこられたお客さまに入会いただくには、初回体験の体験価値を上げることも重要です。初回体験のお客さまを接客する際に大切にされていることはありますか?
初回のセッションはとても重要だと考えており、体験レッスンを受け持てるトレーナーは私を含めて3人だけに絞っています。この3人が対応することで、入会前のスクリーニングもできますし、初回体験時の入会率を上げることができます。さらに、そこでお話しした内容をもとに、そのお客さまが抱えるお悩みに適したトレーナーをマッチングさせるので、入会後のミスマッチも防げます。昔は全トレーナーが体験の対応をしていましたが、今は機会損失を防ぐためにも3人だけで対応しています。
3. アカデミー事業や国際展開を通じて目指す、国境を越えた人材育成
—— お客さまとの対話や指導の内容の質を担保するのは、トレーナーの指導力だけではなく人間性も重要だと思います。採用はどのようにされているのでしょうか。
BodyLab.では、ピラティス講師を養成するアカデミー事業も行っていますので、トレーナーを採用する際は、アカデミーの受講者から希望者を募ったり、BodyLab.の考え方に合致する受講者にお声がけしたりして、オーディションを開催しています。そういった経緯もあって、質の高いトレーナーを採用できています。採用にあたっては、意欲的であるか、お客さまに寄り添ってサポートする気持ちを持っているかといった、人柄を重視しています。知識や経験は後からでも付いてくるので。
—— アカデミー事業はいつ頃から行っていらっしゃるのですか?
2017年にスタートし、2020年から国際ライセンスの資格取得が可能になりました。現在、ピラティスのFTP国際ライセンス養成講師は九州で4人しかおらず、九州全域や山口県からも受講者が集まっています。それもあって、九州のなかでも交通の便がいい福岡にも出店しました。
—— 料金システムはどのように設定されているのですか?
チケット制ですね。経営的には月額制が良いと考えられますが、会員さまのことを考えるとチケット制が良いと判断しています。チケットには有効期限もないので、妊娠してトレーニングを受けていなかった会員さまが、子育てがひと段落した後に以前のチケットを使用してトレーニングを再開されるということもあります。ライフステージにあわせて、柔軟に利用いただけるようにしています。
—— どこまでも会員ファーストで考えていらっしゃるのですね。最後に、今後の事業展望についてお聞かせください。
1月に熊本に新店舗をオープンし、計5店舗になる予定です。将来的には、日本国内ではなく、シンガポールなどアジア圏で店舗を出していきたいと考えています。アジア圏はこれから高齢化する国が多いので、高齢者を健康にするための運動メソッドを広め、健康を伝える人材を国際的に育成していきたいですね。
